F1は、ル・マン24時間との日程衝突を避けるべき! 拡大を続けるF1カレンダーはFIAの悩みの種?
2022年のF1は、ロシアGPのキャンセルと代替開催の断念により、当初の予定より1戦少ない、シーズン22戦で争われることになった。
それでも1年が”52週しか”ないことを考えると、拡大を続けるF1のスケジュールはかなり過密であることが分かる。1週で2戦消化するダブルヘッダーがない上、4週間のサマーブレイクやオフシーズン、プレシーズンテストなどを考えると、ほとんど身動きが取れない状態になりつつあるのだ。
FIAにとっては、他シリーズとの日程衝突も悩ましい問題だ。特に世界耐久選手権(WEC)の中心的イベントである、伝統のル・マン24時間レースとF1の日程が重複するのは、FIAにとって喜ばしくない状況だ。今季は、ル・マン24時間レースとF1アゼルバイジャンGPが同じ週末(6月10~12日)に開催される予定となっている。
こうした状況について、FIAの副会長に就任したロバート・リードは言及。特に2023年は、ラッジウィットワース杯24時間耐久グランプリとして初開催されたル・マンが100周年記念を迎えることもあって、日程衝突を避けるべきだとコメントし、今後はそれが標準になるべきだと主張した。
「来年は衝突を避けるべきであり、それが標準になるべきであると言う良い機会だ」
WEC第2戦が行なわれたスパを訪れたリードは、そう語った。
「一般的に、そして特に来年は、衝突を避けることを私は支持するだろう」
リードは、FIAがF1のカレンダーに対して決定権を持っていないことを認めている。
「WECは、F1を除くすべてのチャンピオンシップがそうであるように、プロモーターがカレンダーを提案し、そのカレンダーを受け入れるかどうかはFIA次第だ」
「F1は少し違っていて、カレンダーは彼らがほぼ決めているのだ」
F1の商業権を持つフォーミュラ・ワン・グループとそのオーナーのリバティ・メディアとの間で、日程の衝突を避けるためには「ちょっとした交渉が必要になるだろう」と彼は示唆した。
ただこれは彼個人の意見であり、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムも同意見かどうかは確認する必要があると付け加えた。
ル・マンを主催し、WECのプロモーターでもあるACO(フランス西部自動車クラブ)のピエール・フィヨン会長は、リードとのディナーの際に、日程衝突回避を求めたようだ。
「ディナーでピエールの反対側に座っていた。だから、特に来年ル・マン100周年を迎えるACOの意見も分かっている」
ル・マンとアゼルバイジャンGPの日程が被るのは、2016年以来6年ぶりとなる。また、2020年と21年シーズンの当初のスケジュールでは、カナダGPはル・マンと同じ週末に開催されることになっていたが、新型コロナウイルスの大流行によるカレンダー再編で、両年ともF1レースのない週末にル・マン24時間レースが行なわれている。
2023年、F1は新たにラスベガスでレースを開催する予定であり、カタールGPもカレンダーに復帰するため、F1カレンダーはさらに拡大する見込みとなっている。
前任のFIA会長であるジャン・トッドも、2016年にル・マンとF1の日程が被ったことを謝罪。彼もル・マンとF1の日程重複を避けることを強く望んでいたが、それだけその実現は難しいことなのだと言える。
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