【角田裕毅F1第6戦密着】今後のアップデートに向け走行データ収集を重視。初日14番手も「全体としては悪くない」
開幕5戦が終了し、ヨーロッパに戻ってきたF1は6戦目のスペインGPを迎えた。事実上のヨーロッパラウンド開幕戦となるこの1戦に、ライバルチームがこぞってマシンをアップデートしてきた。しかし、アルファタウリはスペインGPに新たな開発パーツを持ち込まなかった。
「そうですね、僕たちは今回、アップデートパーツは持ち込んでいません」
角田とアルファタウリが戦うことをあきらめたわけではない。現在のバジェットキャップ制がレギュレーションによって定められており、かつてのように莫大な予算をかけた開発ができなくなった。今年は年間1億4,000万ドル(約173億円)と定められており、その範囲内でしか開発を行うことができない。
「だから、ほかのチームにシーズン前半にどんどんアップグレードしてもらって、開発に使えるお金が尽きて、後半アップグレードできないほうが僕たちのようなチームにはいいですね」(角田)
アルファタウリのような小規模なチームは、これまで予算の関係からシーズン後半はほとんどマシンをアップデートできず、苦しい戦いを強いられることが少なくなかった。しかし、現在は予算が決められているので、シーズンを通して毎回アップデートすることは不可能となった。したがって、限られた予算で開発したパーツをいかに機能させるかが重要となった。
角田はこう語る。
「僕たちはできるだけ効果的にアップグレードしたほうがいいと考えているので、頻繁に小さなアップグレードを繰り返すよりも、シーズン中に何回かに分けて、まとめてアップグレードする予定です」
そして、そのために必要なことは「しっかりと走行データを収集して方向性を定めること」だと角田は説く。
スペインGP初日、フリー走行2回目の結果は14番手だったが、角田に焦りはない。
「ペースとしてはそんなによくないですが、全体としては悪くないです」
いまは一発のタイムより、いかに走行データを収集するか──フリー走行1回目で28周、2回目も29周した角田。
「まだ初日で、これからもっともっと変わるので、Q3に向けて慎重にクルマを作っていきたいと思います」と言って、エンジニアリングルームへ向かった。
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