5月初頭に、スズキのMotoGP撤退が報道されると、彼らは運営のドルナと撤退について話し合いを行なっていると認めた。これによりアレックス・リンス、ジョアン・ミルの2名がライダーズマーケットへ放出されることになったが、ライバルチームにとっても簡単な状況ではないとリンスは語っている。
　リンス、そしてミルは共にスズキとの契約延長を目指しており、既に合意目前だった。しかし突然撤退に向けた動きが明らかとなったため、彼らは2023年以降のシートをこれから探さなければならない立場となった。
　ミルはポル・エスパルガロを置き換える形でのレプソル・ホンダへの移籍が強く噂されている。一方でリンスもヤマハ、そしてKTMとの話し合いがあったことを明かすなど、”就活”を行なっている状況にある。
　アプリリアが両ライダーとの契約延長を行なったというニュースの後、何か2023年に向けた動きはあったかと訊かれたリンスは、次のように答えた。
「ああ、僕に言えるのはアレイシ（エスパルガロ）とマーベリック（ビニャーレス）におめでとうと言う事だけだ」
「彼らは本当に良いライダーだし、良い人たちなんだ」
「まあ、だから様子を見てみよう。マネージャーと話をしていて、彼はモンメロ（第9戦カタルニアGP）の週末か、レース後にまた（チームと）話をしてくるみたいなんだ」
「まだ今は時期じゃない。つまり、スズキ撤退の知らせというのは、凄く急なものだったんだ」
「これは皆にとって大きくショックな出来事だったし、他のチームにとっても簡単じゃないのは確かだ。今、ふたりのライダーがさらにマーケットへと加わったんだからね」
「だからミーティングがあるであろうモンメロでどうなるか、様子を見よう」
「僕は集中を維持したいと思う。良い週末を過ごしていたル・マンと同じようにやってみたい」
　ミルのホンダ入りが現実のモノとすると、ファクトリーチームのシートで空きがあるのは、KTMのみ。ミゲル・オリベイラはまだ契約延長を果たせていない状況にある。またKTM陣営ではテック3のシートもまだ確定していない。
　リンスはファクトリーチームのシートが無くなった場合、サテライトチームのオファーを受け入れるかどうかを尋ねられたが、答えは濁していた。
「僕が今考えているのは、スズキでシーズンを終えることだ。それから将来がどうなるか様子を見よう」
 
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