岩佐歩夢、猛チャージも届かず2位。ドゥーハン辛くも逃げ切りレース1優勝|F2第7戦シルバーストン

 

 F2第7戦のレース1がシルバーストン・サーキットで行なわれた。ジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ・レーシング)が、岩佐歩夢(DAMS)の猛追を振り切って優勝した。
 予選上位10台がリバースグリッドに並ぶレース1。ポールポジションはユアン・ダルバラ(プレマ)、エンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ)が2番手だ。岩佐は5番手、佐藤万璃音(ヴィルトゥオーシ・レーシング)は18番手からのスタートだ。
 F1の予選前に降り出した雨の影響で、F2のレース1開始時点でも路面はウエットコンディション。各車ウエットタイヤを履き、セーフティカー(SC)先導でレースがスタートすることになった。
 SCがピットに戻り、20周のレースがローリングスタートで開始。大きなトラブルや順位変動もなく静かな立ち上がりとなった。
 コンディションの影響か、次第に各車のペースに差が生じ、集団が分かれ始めた。特に3番手集団は三つ巴の接近戦。ユーリ・ヴィップス(ハイテック)にドゥーハンが襲いかかり、岩佐がその後ろでバトルを冷静に見守った。
 ヴィップスはペースが苦しく、5周目にドゥーハンにオーバーテイクを許してしまう。ヴィップスは岩佐には抜かれまいと、懸命なディフェンスを見せた。一方、トップのダルバラのペースも急激に悪化。5周目の最終コーナーでフィッティパルディに首位を明け渡すと、すぐにドゥーハンにも抜かれてしまった。
 岩佐は、ヴィップスよりもはるかにグリップを引き出せているようで、6周目に大外刈りでヴィップスをオーバーテイク。続けざまにダルバラも交わして3番手に浮上した。
 レースは7周目にフィッティパルディのミスで首位に浮上したドゥーハンが引っ張る展開。フィッティパルディはタイヤが厳しいのか、8周目にもラインが膨らみ、岩佐が労せず2番手にポジションアップした。
 この時点で、ドゥーハンと岩佐のギャップは3.2秒。しかしドゥーハンはジリジリと岩佐との差を引き離していった。
 路面の水も少なくなり、ウエットタイヤに厳しいコンディションとなっていく中で、ドゥーハンと岩佐は2分2秒台のラップタイム。これを上回るペースで走れているのは、4番手のテオ・プルシェール(ARTグランプリ)のみという状況だ。
 プルシェールがフィッティパルディを抜きあぐねペースダウンする一方で、うまくタイヤをマネジメントしている様子のトップ2は、好ペースを維持。岩佐が差を詰めればドゥーハンがファステストを叩き出し、3~4秒のリードをキープした。
 15周目になると、ドゥーハンがペースを上げて逃げ切りにかかる。岩佐もこれに反応してペースアップ。17周目、18周目にファステストラップを叩き出す猛プッシュで、ドゥーハンを追った。
 ファイナルラップに入った時点で、その差は2秒。しかしドゥーハンも必死に粘り、0.9秒差でトップチェッカーを受けた。岩佐は17周目から4周連続でファステストラップを更新する猛チャージを見せたが、惜しくも2位だった。
 3位フィッティパルディは、トップ2から15秒以上離されており、ドゥーハンと岩佐は見事に難しいコンディションでウエットタイヤをマネジメントしてみせたと言えよう。
 佐藤はレース中盤にマシントラブルに見舞われ、無念のリタイアとなった。

 
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