レッドブルのセルジオ・ペレスは、F1フランスGPの決勝で”バーチャル・セーフティカー（VSC）終了”を知らせるFIAからのメッセージが混乱したことにより、3位表彰台を失なうことになったと考えている。
　ペレスはフランスGPの決勝終盤、メルセデスのジョージ・ラッセルと3番手を争っていた。そんな中、残り4周というところでアルファロメオの周冠宇がマシントラブルによりストップ。このマシンを回収するため、VSCが宣言された。
　51周目にVSCは終了することになったが、この時”VSC終了”を各チームやドライバーに伝えるFIAからのメッセージが混乱。1度目のメッセージではVSCは終了せず、2度目のメッセージでようやくVSCが解除された。
　ペレスはレーススピードへの加速が遅れた一瞬の隙を突かれ、ラッセルに3番手の座を奪われてしまうことになった。その後、再逆転を狙ってラッセルを攻め立てたペレスだったが、攻略は叶わず……4位でチェッカーを受けた。
　本来ならばVSC終了のメッセージが表示された後、10〜15秒でVSCが解除される。しかし今回はそうはならず、最初のメッセージから1分近く経過したところで、ようやくレースが再開されることになった。ペレスはこの混乱に翻弄されたことで、3位を失ったと考えている。
「VSCで起きたことは、とても残念だった」
　ペレスはレース後にそう語った。
「ターン9でVSCが終了するというメッセージが表示されたから、それに従った。でも実際に終了することはなかったんだ。その後、ターン12までに終わるだろうという別のメッセージを受け取った。僕はそこには近すぎたんだ」
「ジョージは別の情報を持っていたみたいで、彼は再スタートに向けてより良い準備をすることができたようだ」
「正直に言って、VSCが結果に影響を与えたのは残念なことだった。そうなってはいけないはずだったけど、今日はそうなってしまった」
「（VSC終了のメッセージは）完全に間違っていた。何かが起きていた。ターン9で終了すると言ったり、ターン12で終了すると言ったりしたからね」
　レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、何が起きたのかを理解するためにFIAと話し合う必要があると語った。
「チェコ（ペレスの愛称）は今週末、以前よりもタイヤのデグラデーションに少しばかり苦労した」
　そうホーナー代表は語った。
「彼にとって苛立たしいのは、VSCのレースコントロールに問題があったことだ。彼らはVSCをオフにできなかったので、システムをリセットしなければいけなかった」
「チェコと少し話したところ、彼は正確なデルタが得られていなかったと言っていた。そして、突然デルタが表示されたようだ」
「ジョージは先取りしていたが、デルタの範囲内にあった。あるいは2台のマシンに送られる情報が異なっていたのかもしれない」
「我々はそれを追求しなければいけない。今回のことには、かなり苛立っている。なぜなら彼（ペレス）には、ダブル表彰台を手にするためにジョージを遠ざけるペースがあったと思うからね」
「そういうことがあったにも関わらず、今日は両方（ドライバーズおよびコンストラクター）の選手権で、重要なポイントを手にすることができた」
　なおFIAは、VSC終了に関するメッセージを送信するコンピュータシステムに問題があったことを認めており、バックアップに切り替えたことでリスタートに遅れが生じたと説明している。
 
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