【F1インタビュー】ハンガリーで苦戦の角田は「クルマのバランスをまとめきれなかったのでは」と山本氏。早急な対策に期待
アルファタウリの角田裕毅は、2022年シーズンの前半戦最後のレースとなった第13戦ハンガリーGPを19位で終えた。前戦フランスGPでアルファタウリはAT03にアップデートを施したが、ハンガリーでの角田は週末を通してパフォーマンスを発揮できずに苦しんだ。ハンガロリンクを訪れた元ホンダの山本雅史氏は、「クルマのバランスをまとめきれなかったのではないか」と指摘するも、角田の「ドライバビリティは高くなっている」と語る。またFIA F2に参戦する岩佐歩夢についても、シーズン前半を振り返り「85点」と高く評価した。
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──前戦フランスGPでアップデートを投入したにも関わらず、フラストレーションがたまる結果に終わったアルファタウリは、夏休み前の今回は是が非でもポイントを獲りにいきたかったところですが、残念な結果に終わりました。
山本雅史氏(以下、山本氏):フランスでアップデートを入れて方向性がよくなっているものの、このハンガロリンクは本当にテクニカルなコースなので、クルマの前後バランスも含めてうまくまとめきれなかったのではないかと思います。
──レース後の囲み取材で角田裕毅選手にその辺りの話を伺うと、「ピエール(・ガスリー)は12番手まで行っているのでアップデートの問題ではなく、僕のクルマに何か問題が起きている。でもそれがよくわからない」とのことでした。
山本氏:フォーミュラカーは本当に難しいです。私も国内でスーパーフォーミュラを見ていますが、セッティングなどのわずかな調整でクルマの挙動が変わってしまう。早く原因を見つけて対策してほしいです。
──前半戦が終わりました。今年は少しアップダウンがありますが、角田選手の今年の前半戦をどのようにご覧になりましたか?
山本氏:クルマのパフォーマンスなどさまざまな状況があるものの、昨年より速さも含めて、本人のドライバビリティが高くなっているのは事実です。夏休みに少し休息してもらって、エンジニアと必要な箇所は煮詰めて、気持ちを入れ替えてスパ(ベルギーGP)からまたいいレースを見せてほしいです。
──それから、F1ハンガリーGPのサポートレースとして開催されているF2のフィーチャーレースで、岩佐歩夢(ダムス)選手がポールポジションからスタートしました。優勝は逃したものの3位。表彰台を獲得したにもかかわらず、少し残念と思ってしまうくらい期待が大きかったわけですが、山本さんはどのように見ていましたか?
山本氏:今回は初めてのポールポジションだったので、フォーメーションラップの後、グリッド上でいつもより長く待ってしまったのが影響したのではないかと思います。タイヤが冷えなければいいなと思いながら見ていました。先ほど本人と話しましたが、「スタートの反応はよかったのですが、やはりタイヤが冷え、グリップが低くホイールスピンをしてしまいライバルたちに並ばれて抜かれてしまった」と言っていました。ここのコース、特にF2はオーバーテイクが非常に難しいですし、後ろにつくとクリーンエアがないため、タイヤにも負担がかかってしまいます。デグラデーションも含めてオーバーヒート気味になってしまうので、そういった意味では、3番手に落ちた時点でレースは非常に厳しいものになりました。
ただ予選で2番手をコンマ4秒離すなど、速さは見せることができたので、F2のクルマのセットアップを含めて、いろんなことを学んだレースだったと思います。夏休み明けのスパでも十分な速さがあると思うので期待したいです。
──岩佐選手のF2デビューシーズンの前半戦を採点するとしたら何点ですか?
山本氏:85点ぐらいですね。彼はすごく考えるドライバーなので、ここのレースのスタート前の考え方も含めてしっかりしていますし、チームとのコミュニケーションもよくなっているので、後半戦も楽しみです。
──後半戦で85点から100点にするにはどこを改善すべきでしょうか?
山本氏:今回のハンガリーもすごく収穫があったと思うので、今シーズンこれまで学んだことをこれからもコース上でしっかり見せてほしいです。そうすれば、来年に繋がると思います。
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