F1分析|ハードタイヤを選択した、フェラーリの失態……しかし最後ソフトタイヤに履き替えるべきではなかった?

 

 F1の第13戦ハンガリーGPは、10番グリッドからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが大逆転優勝を果たした。そして2-3位には2戦連続でメルセデス勢と、こちらも復活を感じさせる結果となった。
 フェルスタッペンの最大の勝因は、当初ハードタイヤでスタートする作戦を立案していたものの、路面温度が予想以上に低くタイヤを温めるのに苦労しているのをレコノサンスラップで把握すると、すぐに戦略を変更し、ソフト-ミディアム-ミディアムと繋いでレースを走り切ったことだろう。
 タイヤにはそれぞれ、パフォーマンスを効果的に発揮できる温度がある。そしてソフトタイヤは比較的低い温度で作動し、逆にハードタイヤは高い温度でなければ作動しない……今回のように路面温度が低い場合は、当然ハードタイヤはリスクとなるわけだ。
 これに翻弄されたのがフェラーリのシャルル・ルクレールだった。ルクレールはミディアムタイヤでスタートし、その後をミディアム-ハードと繋ぐ2ストップ作戦をとった。フェラーリ曰く、シミュレーション上では最も適した戦略だったという。
 しかしハードタイヤを履いたルクレールのペースは優れず、ルクレールも無線で「なんでハードタイヤを履かせたんだ」と話す始末。メルセデスのジョージ・ラッセルにもオーバーテイクを許してしまった。
 結局ルクレールはハードタイヤのままチェッカーを目指すのを諦め、ピットインしてソフトタイヤに交換。結局6位でフィニッシュすることになった。
 たしかにルクレールにハードタイヤを履かせる戦略を選んだのは、フェラーリのミスだったと言えるだろう。しかしラップタイムの推移を見ると、ハードからソフトに再びタイヤを交換したことで、ミスにミスの上塗りをしてしまったように思われる。

F1ハンガリーGP決勝レースペース分析:トップ6
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