レッドブルF1とポルシェ、いまだ最終合意に至らず。マルコ&ホーナーが契約に反対、ホンダとの関係継続に向け奔走か
ポルシェとレッドブルの契約は、正式発表を待つばかりの状況と思われていたが、破談になる可能性があるようだ。レッドブルのモータースポーツ・コンサルタントのヘルムート・マルコとクリスチャン・ホーナー代表がこの契約を取りやめたいという意向を持ち、ポルシェとは提携せず、ホンダとの関係を続けるよう、関係者を説得し始めたといわれる。
当初、両者の契約は、オーストリアGPで発表される見通しだったが、ポルシェがフランクフルト証券取引所での新規株式公開まで延期することを決めた。だが、すでに合意はなされていると考えられており、アウディが8月26日、2026年からF1に参戦することを発表した際に、アウディのマルクス・デュースマンCEOはポルシェのF1参戦を前提とした発言をしていた。
ところがその後、ベルギーGPの週末に、ホーナー代表は、一歩引いた発言を行った。
「これから明らかにしなければならない細かい点が多数ある。ポルシェを歓迎するが、この問題はそれほど単純ではない。非常に複雑な状況だ。この交渉が良い結果で終わることを望んでいる」
この際、ホーナーは、最終決定の時期について、明言しなかった。
さらに、ホーナーとマルコが、レッドブル社オーナーであるディートリッヒ・マテシッツおよびチャルーム・ユーウィッタヤーに対し、ポルシェとの交渉を打ち切り、ホンダに対して提携継続を依頼するよう、説得を試みていることが分かった。ホンダは2021年末でF1活動を終了したが、2025年末まで、ホンダのモータースポーツ活動を担うHRCが、レッドブルのパワーユニット部門であるレッドブル・パワートレインズに対し、技術的支援を行う。F1は2026年にパワーユニット規則を大幅に変更、次世代パワーユニットを導入することを決めている。
サマーブレイクの間にマルコは懇意にしているホンダの上層部の人々に連絡を取り、F1活動を続けることが彼らの最善の利益になるとして、説得を試みたとみられる。一方、ユーウィッタヤー家とより密接な関係にあるホーナーは、彼らに対し、ホンダとの関係を続けることが最善の選択であるとの説明を行った。
レッドブルは新設したパワーユニット部門に多額の資金を投入、多数の人材を獲得している。それにもかかわらず、マルコとホーナーが、ポルシェとの提携を中止しようとしているのは、ポルシェに全権を握られた後には、自分たちの職が危うくなると考えたからだとの見方もなされている。ポルシェは最初はレッドブル・テクノロジーズの50パーセントを取得するが、F1プログラム全体の支配権を握ることになるかもしれない。そうなった場合、ポルシェはマルコを必要としないだろうし、新チーム代表を自分たちで選ぶ可能性が高い。
ポルシェの株式公開が9月末に予定されているなか、ホーナーとマルコが交渉の流れを変更するための時間はあまり残されていない。F1チームをポルシェに売却するというマテシッツの決意は固いと言われており、説得は簡単ではなさそうだ。
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