メルセデス、苦難を乗り越えより強く! 「チャレンジが、自分たちを成長させてくれる」
2014年からF1のパワーユニット時代を支配してきたメルセデスだが、2022年はパフォーマンスがなかなか上がらず、ここまでまだ勝てていない。
ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルの進歩を妨げていた極端なポーパシングの問題を解決するのに数ヵ月を費やしたものの、ようやく明るい方向性が見えてきており、調子を上げてきている。
メルセデスは、今季のスタートが厳しいものだったと認めているが、過去に問題を抱え、そこから立ち直ったことがあるように、そのような時期に価値があると考えている。
メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンはたとえ困難なことがあったとしても、問題解決から成長するというメンタリティがチームにはあるのだと、motorsport.comに語った。
「全く違うチャレンジができるのは楽しいことだ」
「確かに今年の序盤は楽しくない部分もあったし、チーム内でもかなりストレスが溜まっていた」
「でも、エンジニアは問題を解決するのが好きなんだ。自分たちが圧倒的な強さを誇り、接近戦がない時期は、少し退屈で(結果が)予測可能なモノになりつつあった」
「しかしこうしたチャレンジが、自分たちを成長させてくれるんだ。今のところ、我々は良い成長速度を保っているんだ」
「もし上位に返り咲くような展開に持っていければ、チームは自信を取り戻せると思う。でも、今年はこれまで、とても強かったチームがちょっとしたショックを受けて、自信を取り戻してきたところなんだ。だから難しいけれども、いい挑戦だった」
ショブリンは、メルセデスが2015年のシンガポールGPで大不振に陥り、翌年に優勝したことを例に挙げ、チームとして再現したい逆転劇だと話した。
2015年のシンガポールGPは、メルセデスの連続ポールポジション獲得が23でストップしたレースであり、このシーズン表彰台を獲得できなかった2レースのうちのひとつ。当時メルセデスはパフォーマンスが落ちた原因を明確に見いだせていないとコメントしていた。
「チームの多くのエンジニアに『あなたにとってのハイライトは?』と聞けば、シンガポールGP後の仕事だと答えるだろう」
「そして翌年、再びシンガポールに戻って、圧倒的な強さを見せた。チーム一丸となって問題を解決したんだ」
「(今季は)つまづくこともあったが、チームの強さというのは、そのチームにいる人の強さなんだ」
「並外れた挑戦だった。その結果、我々はより賢く、より経験豊富になっている。だから長期的に見れば、このことがチームに害を与えることはないと思う」
チームがこの厳しい時期をポジティブに捉えている一方で、ボスのトト・ウルフ代表は2022年キャンペーンのスタートがいかに厳しいものであったかについて、幻想を抱いていないようだ。
「なんとか状況を変えることができた。だが思っているよりも些細なこともあるんだ。ポーパシングを克服するには他のことが重要だったが、今はそれがない」
「エンジニアリングの観点からは、確かに価値のあることだった。しかし我々全員にとって人間的な観点からも、プロフェッショナルな観点からも、対処するのは非常に困難なことだった。なぜならトップエンジニアが、なぜデータが現実と相関していないのかを本当に理解していなければ、それは簡単なことではないからだ」
チームが道を見失ったことがあるのかと突っ込まれると、彼は次のように言った。
「ああ、迷った。だが完全に迷ったという感じではない。でもこのことを理解するのに何年かかるんだろう、と思ってしまう。なぜなら、来シーズンが近づいてきているからだ」
さて、次戦はシンガポールGPである。
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