クアルタラロ、不満溜まるバイクで精神面が”無敵”に成長? クラッチロー「ファビオはとても精神的に強い」

 

 MotoGP2022年シーズン後半戦、タイトル争いをリードしているのはファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)だが、現状では苦しい戦いが続いている。しかし、同社のテストライダーであるカル・クラッチローは、クアルタラロが精神的に負けることはないだろうと考えている。
 第16戦日本GP終了時点で、クアルタラロはチャンピオンシップ2番手のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)に対して18ポイントのリードを拡大。しかしこれにはバニャイヤが転倒で自滅したこと、同3番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)がチームのミスによりレースをノーポイントで終えたことが多大に関係している。
 日本GPの実情を見てみると、クアルタラロは決勝レースで中団グループ内をオーバーテイクしていくことができずに8位フィニッシュ……彼の苦戦ぶりが如実に表れていた。
 後半戦に入りライバルに対して防戦一方の苦しい状況の続くクアルタラロだが、ヤマハでテストライダーを務めているカル・クラッチローは精神面での打たれ強さを高く評価している。
「ファビオは勝利に向けてプッシュしていくと思うよ」
 タイGP開始前の木曜日、クラッチローはそう語った。
「ファビオはとても精神的に強い。彼のチャンピオンシップでのポジションを考えてもね……ああ、たしかにバイクは多くの面で優れているし、彼のライディングが限界以上なのかは分からないが、とても上手く乗っていることは間違いない」
「だが大きな“違い”はメンタル面であり、彼がバイクに抱いている自信であり、フィーリングなんだ。彼は精神的に”無敵”だ」
「何かが起こっても、彼はそれを忘れて前に進むんだ。もちろん、もてぎで彼の置かれていた状況は理解している。マシンは他のライダーを追い越すのがとても難しいし、僕も追い越すのに3周も費やしてしまっていた」
「そうやって走るか、相手がコーナー脱出で失敗するのを待つかなんだ」
 今週末行なわれるタイGPの舞台となるチャーン・インターナショナル・サーキットでは、ヤマハも好結果を出している。2019年にはペトロナスヤマハSRT時代のクアルタラロが、僅かな差で2位になっているのだ。
 しかし、ロングストレートと加速が重視されるレイアウトは、ヤマハにとって不利に働くとも考えられるなど、安心はできない。
 クアルタラロ自身もタイGPに向けて、オーバーテイクで違いを生むために”できることはない”と語っており、タイGPも厳しいレースとなる可能性はかなり高そうだ。
「いや、僕らにできることは何もない」
 オーバーテイクを改善するためにヤマハにできることは何かないのかと聞かれたクアルタラロは、そう答えた。
「僕らは今年初めから同じバイクを使っている。最近は別のシャシーもあるけれど、あまり大きな違いはないんだ」
「だから結局のところ、僕らにできることは多くない」
「来年はもっともっと楽しいモノになるだろう。(開発中の)エンジンパフォーマンスは良くなっているし、まだ進化の余地があると思う。だから来年はオーバーテイクをより簡単にできるようになるはずなんだ」
 
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