ヤマハ、クアルタラロ大苦戦のタイGPは「空気圧のセッティングミス」と認める

 

 MotoGP第17戦タイGPでヤマハのファビオ・クアルタラロは17位と大苦戦。ヤマハはオーストラリアGPを前に、その苦戦の原因にタイヤ空気圧のセッティングミスがあったと認めた。
 クアルタラロはタイGPのフリー走行、そして予選ではまずまずの走りを見せ決勝は4番グリッドスタート。タイトル争いのライバルであるフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とのバトルが予想されていた。
 しかしタイGPで初の雨となった決勝で、クアルタラロはそれまでの走りが嘘のように大苦戦。ポイント獲得すらままならず、バニャイヤには2ポイント差に詰め寄られる結果となってしまった。
 レース後、クアルタラロは通常のメディア対応を中止。チームのプレスリリースを通じてコメントを発するに留めた。
 彼の苦戦に関してはヤマハテストライダーのカル・クラッチローがタイヤの内圧に問題が出ていたのではないかと推測を語っていた。そして、オーストラリアGPを前に沈黙を破ったクアルタラロは、その推測どおりフロントタイヤの空気圧に問題があったと認めた。
 さらにヤマハのチーフメカニックであるディエゴ・グベッリーニもこの問題に関して言及。当初のセットアップからして、空気圧を高く設定していたことが間違いだったと話した。
「タイヤの空気圧に関して、ミスがあったのは事実だ。原因はテストデータが無いことで、我々は手持ちのリファレンスに基づいて設定をしたが、明らかにミスであり、グリップがほとんど得られなかったんだ」
 グベッリーニはMotoGP.comにそう語った。
「この状況では、ファビオも通常の彼のレベルで走ることは不可能だった」
「今年、彼は非常に良いセッションとなっていたし、(インドネシアでは)雨でもとても良いレースができていた。だからもっと良い結果にできたかもしれないが、我々はこの状態によって、ツケを払うことになった。苦戦はそういった理由だったんだ」
 なおクアルタラロがレース後対応をシャットアウトしたことに関してもグベッリーニは理解を示しており、チームへの怒りを噴出させないようにするための彼の配慮だったと語っている。
「彼はもっと良いレースにできたはずだと分かっていながらも、内圧の問題からそれができなかったせいで、フラストレーションが溜まっていたんだ」
「彼は怒っていたが、それは極めて自然なことだと思う。タイトルを争っているんだ。しかし共に働くチームのことを悪くは言いたくないと考えてくれたんだ」
 グベッリーニはタイGP後に情報を分析し、調整を行なっているため、チームとして雨により上手いセッティングを行なえるようになっただろうとして、少なくとも失敗を糧にできたと主張している。
「今はよりデータがあり、我々も状況をより上手く分析することができるし、この問題を繰り返すことは避けられるだろう」
「こうしたコンディションでタイヤを管理するための多くの知識があるし、全てのコンディションでパフォーマンスを発揮できると自信がある」
 
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