今季限りでMotoGP撤退のスズキが勝利。優勝ライダーのリンス「最後まで僕らは諦めなかった……この勝利はチーム全員のモノ」
MotoGPオーストラリアGPを制したスズキのアレックス・リンスは、今回の勝利はスズキが撤退まで力を抜かなかったからだと語った。
スズキは今年初めに、今シーズン限りでMotoGPから撤退することを発表した。ジョアン・ミルと共にチャンピオンを獲得してから、僅か2シーズン後の決断だった。
この発表がなされて以来スズキのMotoGPでの成績は低迷。リンスは4月に行なわれたアメリカGP以来、表彰台から遠ざかっていた。しかし今回のオーストラリアGPの決勝では躍動した。
10番グリッドからスタートしたリンスは、レース終盤のバトルでドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤを攻略して首位に浮上。後方からは復活を遂げたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)がプレッシャーをかけたが、リンスはこれを抑え切りトップチェッカーを受けた。
リンスはこれでMotoGPクラス通算4勝目。2020年アラゴンGP以来の優勝となった。
リンスはこの勝利について「決してタオルを投げなかった」としてスズキを称賛した。
「来年、このチームがチャンピオンシップを継続しないことを知るのは、簡単なことではなかった」
リンスはそう語った。
「だから、僕らは良いレースができなくなった。何人かのライダーとクラッシュし、モンメロ(カタルニアGP)では手を骨折することになった」
「だから僕らにとって重要なのは、決して諦めないことだった。僕らは決して、タオルを投げなかったんだ」
「僕らは、この勝利に値すると思う。この勝利は、チーム全員のためのモノだ。別のチームとの契約を結んだ人もいるけど、他の人たちはまだ契約を結んでいない。でも、これは彼ら全員のためのモノだ」
リンスは決勝レース中、何度か先頭に立つことになった。そして上位の集団のペースが「少し遅すぎた」ため、抜け出せると考えたようだ。しかし追い抜かれてしまったことで、戦略を変更することになったという。
「最初からフィーリングはとても良かった。リヤタイヤをうまくマネジメントできたんだ」
そうリンスは付け加えた。
「僕がペッコ(バニャイヤの愛称)やマルティン(ホルヘ・マルティン/プラマック)の後ろを走っていた時、彼らが少し遅すぎることが分かったんだ」
「だから僕は前に留まるために、少し間隔を開いた。そしてリヤタイヤをマネジメントしたんだ」
「でも、彼らはストレートで僕を抜いていった。それで僕は後ろに留まっていることにして、レースの最後まで少し余裕を持たせるようにしたんだ」
「最終ラップに2番手に入れば、1〜2コーナーの間でペッコを抜くチャンスがあることは分かっていた」
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