ペレスも知らない、フェルスタッペンのチームオーダー無視の理由。F1モナコGPでの故意のクラッシュ説は否定
レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、F1ブラジルGP決勝で、チームオーダーに逆らい、チームメイトのセルジオ・ペレスにポジションを返さなかった理由は、「過去に起きたことに関係がある」と述べるのみで、具体的なことを明かそうとしない。一部メディアは、今年のF1モナコGP予選でのペレスのクラッシュが関係していると推測。フェルスタッペンはペレスが故意にクラッシュして自分の予選を邪魔したと考えていて、協力する気になれなかったという説だが、ペレスはそのクラッシュは単なるミスだったと述べている。
モナコ予選Q3最後のアタックラップで、ペレスはポルティエ・コーナーでコントロールを失い、リヤからコーナーアウト側のバリアにヒットしてストップ。すぐ後ろを走行していて避けられなかったカルロス・サインツ(フェラーリ)がペレスのマシンにクラッシュし、コースを塞ぐ形で止まった。そのため、その後ろを走っていたフェルスタッペンはアタックできずに終わった。3番グリッドを獲得したペレスは優勝、4番グリッドスタートのフェルスタッペンは3位でフィニッシュした。
ブラジルGPでレッドブルは、ペレスとシャルル・ルクレール(フェラーリ)とのランキング2位争いを考慮し、フェルスタッペンをペレスの前に出して、ルクレールにアタックさせることにした。オーバーテイクできない場合は、最終ラップでペレスにポジションを戻させるという意図だったが、フェルスタッペンは順位を上げられなかったにもかかわらず、ペレスの後ろに下がることを拒否した。なぜそのような行動を取ったのかを聞かれたフェルスタッペンは、「過去に起きたことに関係がある」とだけ述べた。
フェルスタッペンの行動に批判が集まるなか、レッドブルはアブダビGP直前の11月17日に声明を発表、チームはレース前にフェルスタッペンに順位入れ替えのケースについて確認を取っておらず、チームのミスであり、フェルスタッペンの説明を受け入れると述べた。この説明については今後も明らかにするつもりはないということだ。
今年のモナコGP予選で故意にクラッシュしたのかとメディアから尋ねられたペレスは、その説を否定した。
「モナコでは誰だってミスをする。ターン1の時点であやうくクラッシュするところだった。予選ではいろいろな場所でミスが出るんだ。故意にやるとかそういうことではない」
「あのラップを見直してみるといい。ターン1の時点でクラッシュしかけている。あの時、全力でプッシュしていた。Q3最後のランだったからね」
ペレスがチームに対して故意にクラッシュしたと認めたようだという報道まであるが、これについて彼は「そのうわさは間違っている」と否定したと、ロイターが伝えた。
ペレスはまた、フェルスタッペンの言う「過去に起きたこと」が何なのか、自分は知らないと述べている。
「モナコのことなのか、他のことなのか、それを話すのは彼自身だ。その問題がいつから存在していたのか、僕は知らない。それについて話をしていないからね」
「僕たちが話したのは、ブラジルで起きたことについてだ。すべてのシナリオ、チームとしてのすべてのミス、レースへの準備が十分にできていなかったことなどについて、分析した」
ペレスは、ブラジルの件についてはチーム内で解決しており、前に進むだけだと述べた。
「今までどおり、強く、団結したチームであり続ける。それがチームにとっての優先事項だ。このことはすべて過去のことにして、前に進みたい」
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