アルファタウリF1代表、ガスリー離脱に落胆も「彼の将来を見越して」移籍許可を決断したと語る
アルファタウリF1のフランツ・トスト代表は、ピエール・ガスリーがアルファタウリにとどまることにはリスクがあったと考えており、レッドブルが移籍を許可したのは「公正な判断」だったと評価した。
フェルナンド・アロンソを失い、オスカー・ピアストリとの契約に失敗したアルピーヌは、2023年シーズンのドライバーとしてガスリーの獲得に動いた。ガスリーはすでに2023年末までの契約をアルファタウリと結んでいたが、レッドブルが早期離脱を認めたためこの移籍が実現することになった。
『The Race』よると、アルファタウリのトスト代表はこの移籍を許可することは「簡単なことではなかった」と認め、ガスリーの将来を見越しての判断だったと明かした。
「レッドブルは彼をアルピーヌに行かせるために、とてもフェアなことをしたんだ。仮にそうしなければ、彼が2024年のシートを得られないというリスクがあまりにも大きかった。そのときになったらシートはすべて埋まっていただろう」
トストの言うとおり、仮にレッドブルがガスリー放出を認めていなければ、彼がキャリアの危機に瀕していたことは間違いない。ガスリーは2019年のスクーデリア・トロロッソ(現アルファタウリ)降格から常にレッドブル再昇格のチャンスを模索してきたが、2022年にセルジオ・ペレスが2024年末までレッドブルとの契約を延長したことで、事実上この道は閉ざされていた。
また、ガスリーにとってはアルファタウリとの契約を延長し、2024年以後もチームにとどまり続けることも決して容易ではなかった。レッドブルは有望な育成ドライバーを多数抱えており、彼らが若手のF1昇格よりも現在26歳のガスリーのシートを優先するかは疑問だ。もちろん他チームからのオファーが来る保証もない。
ガスリーにとってアルピーヌへの移籍は今後のキャリアを拓く意味でも重要であり、それを理解していたレッドブルはガスリーを引き止めることはしなかった。トストはチームの屋台骨となっていたガスリーを失ったことへの落胆は隠さなかったが、彼のキャリアを優先して移籍の判断を下したと説明した。
「もちろん、彼は2023年の終わりまで僕らと一緒にいると思っていたから、がっかりした」
「しかし、すべての状況が重なり、(彼を引き留めるのは)意味がないことに気づいたんだ」
「こうしていなければ、彼がもうF1で良いチャンスを得られないというリスクが非常に高かった」
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