マクラーレン『MCL60』:「まだ完璧ではない。シーズン中に大きく向上する」と代表。昨年の反省から特定した問題点に対処

 

 マクラーレンF1チームが、2023年型ニューマシン『MCL60』の発表会を、2月13日(月)にイギリス・ウォーキングの本拠で行った。新ドライバーペアのランド・ノリスとオスカー・ピアストリ、マクラーレン・レーシングCEOザク・グラウンとチーム代表アンドレア・ステラがニューマシンを披露する瞬間に立ち合った。

 ブルース・マクラーレンが1963年にチームを創設してから60年の節目を迎えたマクラーレンは、2023年型マシンを『MCL60』と名付けた。アンドレアス・ザイドルの離脱に伴い、これまでレース担当エグゼクティブディレクターを務めてきたステラがチーム代表に就任、ダニエル・リカルドの後任としてルーキー、ピアストリが加入と、チームは新たな体制で2023年シーズンに臨む。

 テクニカルディレクターを務めるジェームズ・キーが設計した『MCL60』は、パワーユニット、メルセデス-AMG F1 M14 Eパフォーマンスを搭載。カラーリングは従来のパパイヤオレンジを基調にし、ブルーのアクセントが入ったもので、軽量化のためか、昨年型よりブラックの面積が増えている。

マクラーレン2023年型F1マシン『MCL60』発表会
マクラーレン2023年型F1マシン『MCL60』発表会

 2020年にコンストラクターズランキング3位だったマクラーレンは、2022年には5位に沈み、表彰台はエミリア・ロマーニャでのノリスによる3位1回のみだった。

「メルセデスHPPの仲間とともに、強力なコラボレーションによってMCL60を作り上げ、グリッド上位への復帰を目指すために協力し合って努力してきたことに、大きな誇りを持つことができる」とステラ代表は語る。

「2023年シーズンを迎えるにあたり、やるべきことがあるのは承知しているが、チーム全員が完全に集中し、60周年を特別な年にすることに全力を尽くしている」

マクラーレンF1チームの2023年型マシン『MCL60』
マクラーレンF1チームの2023年型マシン『MCL60』

 発表会のなかで、ステラは、現時点でマシンに完全に満足しているわけではなく、シーズン序盤の開発によって改善を図っていきたいと述べた。

「ローンチカーに満足はしているものの、完全に満足しているわけではない。ただ、すぐに良いステップを踏むことができると、前向きに考えている。マシンには、シーズン序盤の開発で改善されるはずのエリアがいくつかある」

「通常、目標を達成するためには、完全に満足できる状態でなければならない。(マシンの)大部分のエリアの開発に満足しているが、一方でいくつかのエリアでは、強力な方向性に気付くことが少し遅れたため、短期的にはそれを必ずしも生かしきることができていない」

「そのため、『シーズンスタート後』と私は話した。これはより相対的な話であり、そのため、私は現実的に話をしている」

「(向上をもたらすパーツは)シーズン開始後、2、3カ月、できればそれ以前に到着するものと期待している。つまり第4戦になるかもしれない。プロジェクトをどれだけ早く確立できるか、見ていく」

「シーズンのなかで、トップ4以内のポジションを確立していきたい。トップ3はビッグチームが占めているので、シーズンを通して4番目に優れたマシンにするというのが現実的だろう」

マクラーレンF1チームの2023年型マシン『MCL60』(右フロント)
マクラーレンF1チームの2023年型マシン『MCL60』(右フロント)

「すでに良い開発がスタートし、じきにそれが届くはずであり、そうすれば良い前進を果たせるだろう。去年のパフォーマンスを評価し、ライバルたちを観察した結果、チャンスのある領域を複数特定した。そのほとんどに対処できたというのは良いニュースだ」

「具体的に言うつもりはないが、空力にかかわるものだ。タイヤとの相互作用など、取り組むべき領域がいくつかあり、それを冬の間に済ませた。マシンには、シーズン序盤に開発し、改善していくはずの他のエリアもある。そういうわけで、ローンチカーに満足はしているが、完全に満足しているわけではない。ただ、すぐに良いステップを踏めるはずだと楽観視している」

マクラーレンF1チームの2023年型マシン『MCL60』(上部ビュー)
マクラーレンF1チームの2023年型マシン『MCL60』(上部ビュー)

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