ウイリアムズF1、2026年以降に使用するパワーユニットを年内に決定。メルセデスに満足も、他メーカーも視野に
ウイリアムズの新チーム代表に就任したジェームズ・ボウルズは、2026年以降のエンジンパートナーをどこにするか、今年のうちに決定すると述べている。
現在ウイリアムズは、2014年に結んだ契約のもとでメルセデスのカスタマーエンジンを使用している。しかし、新時代のエンジンレギュレーション下でこの体制が維持される保証はどこにもない。ボウルズ自身も、今はグローブにいるが元はメルセデスの人員であり、チーフストラテジストとしてトト・ウォルフとともにトラックサイドで仕事をしてきた。だがボウルズは、自分が指揮するウイリアムズを“ジュニア・メルセデスチーム”にはしないと断言した。
そのことが今後のエンジンパートナーシップを他メーカーと結ぶことを意味するのかどうかは、注視していく必要がある。ボウルズは、今シーズンのいずれかの時点で決断し、変更を行うのであれば対応する時間を確保できるようにすると確約している。
ボウルズは今週メディアに「もちろん、我々は長年にわたる提携関係に満足している」と述べたが、その一方で、OEMに関して選択肢を検討中であることも認めた。また「メルセデスはこの15年ほど、本当に、本質的な意味で、最高の性能を安定して発揮するパワーユニットを製造してきた」とボウルズは語ったが、カスタマーチームでいるかぎり成長には限界があるとの認識も示した。
「ある段階から先は自分の道を自分で切り開かなければならない。だが、他社からパーツの提供を受けているかぎり、それができているとは言えない」
「パーツが優れているにしても、きわめて遅い段階まで空力の方向性が決まらない。マニュファクチャラーの状況次第で決定が左右されることになる」
他のエンジンサプライヤーとしては、ホンダ、ルノー、あるいは新たに参入するアウディやフォードが候補に挙げられる。
「現在の状況としては、もちろんメルセデスを含め、他のOEMも検討している段階だ。これは必要なことだ」
「マーケットをよく見渡し、近いうちに確実に決断しなければならない。提携先を決めるという意味での現状判断を行う」
「今年それを実施する必要がある。全チームがそう動いてくる。今年を逃したら、現体制から移行するチームを見つけるのに苦労するようになるだろう」
「チャンピオンシップで勝つためには、勝った実績のあるチームを研究しなければならない。だいたいがOEMで、マニュファクチャラーの支援を受ける必要がある。それが、勝利するために私たちがたどらなければならない困難な道筋だ」
「しかし、今はもっと大きな課題が目の前にある」
ウイリアムズにとって、F1世界選手権で優勝するという目標はかなり遠くにあるように感じられる。ここ数年はコンストラクターズ選手権の最下位近くで浮き沈みを繰り返している。ウイリアムズはかつてF1世界選手権を16回制したが、最後にそれを達成したのは1997年だ。2003年を最後にタイトル争いには絡めておらず、2012年にスペインGPでパストール・マルドナドが勝って以来優勝もない。
ウイリアムズ家は2020年8月、ニューヨークを拠点とする投資会社ドリルトン・キャピタルにチームの経営権を売却した。契約における事業の評価額は1億7950万ドル(約240億円)だった。だが、ヨースト・カピートをチーム代表にヘッドハントして船出したものの、ウイリアムズは今日まで成果を上げられずにいる。オーナー陣は、ボウルズを新代表に招くことでトップへと返り咲く転機にしたいと願っている。
「いま私たちの肩にかかっているのは、現実的な目標だ」とボウルズは述べ、今シーズンの成績について過剰に期待しないよう釘をさした。
「現状から出発する第一歩として、前進する力を持っているチームであるのは間違いない。そして第一の目標は、チームの今後を再評価することだ」
冬の間にフランソワ-グザビエ・ドゥメゾンが退任したことで、現在チームにはテクニカルディレクターがいないが、先週のバーレーンGPは、ウイリアムズにとってここ6年間で最良のシーズン開幕戦となった。アレクサンダー・アルボンが10位に入賞して1ポイントを獲得し、ルーキーのローガン・サージェントは12位で完走したことで、新人ドライバーとして今シーズンのグリッドに並んだ3人のうちで、最も秀でているとの印象を残した。
この結果によりウイリアムズは、ポイントを獲得できなかったアルファタウリ、ハース、マクラーレンより上位に立ったが、2023年シーズンのレースはまだ22戦残っている。
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