フェルスタッペンが通算22度目のポール獲得。ラッセルがフロントロウに並ぶ【予選レポート/F1第3戦】

 

 4月1日、2023年F1第3戦オーストラリアGPの予選が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が通算22度目、今季2度目のポールポジションを獲得した。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は12番手で予選を終えている。

 現地時間16時(日本時間14時)、オーストラリア南東部の都市メルボルンにある半公道コースのアルバートパーク・サーキットを舞台に、雨上がりの気温14度、路面温度21度、湿度60%と、分厚い曇り空のもと予選は開始された。なお、今大会ではC2タイヤがハード(白)、C3タイヤがミディアム(黄)、C4タイヤがソフト(赤)と、前戦サウジアラビアGPと同じ3種のコンパウンドが割り当てられている。

■Q1:前戦PPのペレスがコースオフで最後尾に

 18分間のQ1開始時点で路面は乾き、各車ソフトタイヤでコースイン。まずは、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が1分18秒944をマーク、これが最初のターゲットタイムに。そのアルボンのタイムをセクター1で上回っていたローガン・サージェント(ウイリアムズ)だったが、水が残るターン13の縁石でスピンを喫してしてしまう。

 続いてアタックに入ったニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が1分18秒373をマークしてトップに浮上した直後、前戦サウジアラビアGPでポール・トゥ・ウインを果たしたセルジオ・ペレス(レッドブル)が何らかのトラブルの影響か、ターン3で止まりきれずオーバーラン。ペレスは先ほどまでの雨で泥状態となったグラベルから脱出できず、Q1は残り11分44秒の時点で赤旗中断となる。結局グラベルから脱出がかなわなかったペレスはマシンを降り、予選最後尾に終わることに。

2023年F1第3戦オーストラリアGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
2023年F1第3戦オーストラリアGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

 Q1は現地時間16時14分(日本時間14時14分)に再開を迎えた。赤旗中断時点ではほとんどのドライバーがアタック前だったこともあり、フェルスタッペンやアロンソ、フェラーリ勢の2台も再開早々にコースイン。

 残り9分を切ったところでフェルスタッペンが1分18秒063でトップに浮上する。今季好調のアロンソだったが、最初のアタックではヒュルケンベルグ、そしてチームメイトのランス・ストロール(アストンマーティン)にも届かず、1分19秒077となる。

 残り7分を切り、アルボンが1分18秒143をマーク。フェルスタッペンから0.080秒遅れの2番手に浮上。その直後、カルロス・サインツ(フェラーリ)がアタックも1分18秒347でアルボンに届かず3番手に。そんななか、アロンソが2度目のアタックで本領発揮。1分17秒632を叩きだし暫定首位に。ただ、アロンソがトップだったのは一瞬だった。フェルスタッペンがアロンソを0.363秒上回る1分17秒469でトップに返り咲く。

 さらにアルボンもタイム更新。1分17秒962でストロールを上回り、フェルスタッペン、アロンソに続く暫定3番手に浮上する。フェラーリ、メルセデスがなかなかトップ3に入り込めないなか、ウイリアムズのアルボンに注目が集まる。

 一方、角田とニック・デ・フリース(アルファタウリ)は残り3分を切ってもQ2進出安全圏内に入れない。そんななか、ハミルトンが1分17秒689で2番手に浮上。各車、タイヤの限界を迎えるも改善し続ける路面状況に期待し、最後のアタック。そんななかでラッセルが1分17秒654で2番手までポジションを上げる。

 結局Q1は16番手地元オーストラリアはメルボルン出身のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、17番手周冠宇(アルファロメオ)、18番手サージェント、19番手バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、そしてアタックできなかったペレスの5台がノックアウト。アルファタウリ勢はデ・フリースが1分18秒450で14番手、角田が1分18秒471で15番手でQ2進出を決めた。

2023年F1第3戦オーストラリアGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2023年F1第3戦オーストラリアGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

■Q2:角田は12番手。ヒュルケンベルグがメルセデス勢を上回る

 Q1終了後に雨雲の接近が予報されたこともあってか、続く15分間のQ2ではセッション開始と同時に10台がコースイン。まずは、アロンソが1分17秒681をマークし、これがターゲットタイムとなる。その直後にはストロールがセクター2、セクター3で全体ベストを更新し、1分17秒616とアロンソを0.065秒上回りトップに浮上する。

 ただ、ルクレールが1分17秒560をマーク。そしてフェルスタッペンが1分17秒219を叩き出し、ルクレールを0.341秒と大差で引き離す。日差しが強くなりつつあるなか、アロンソがQ2の2度目のアタックで1分17秒283をマークしてフェルスタッペンから0.064秒差の2番手につける。ただ、フェルスタッペンは1分17秒056までベストタイムを短縮し、他を寄せ付けない。

 残り8分を切って角田は1分18秒533をマーク。しかし、その時点でポジションは11番手とQ3進出にはあと一歩届かない。1分17秒台を記録する上位勢が早めにアタックを終えるなか、アルピーヌ、アルファタウリ、ランド・ノリス(マクラーレン)、ケビン・マグヌッセン(ハース)らによるQ3進出をかけたアタック合戦が白熱。

 アルボン、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)が終盤1分17秒台を記録も、ノリス、デ・フリース、角田、マグヌッセンはベストタイムが1分18秒台と伸びない。そんななか、ガスリーが1分17秒574をマークして8番手、アルボンが1分17秒761で10番手と、それぞれQ3進出圏内に浮上する。

 Q2トップはフェルスタッペン、2番手アロンソ、3番手サインツ、4番手ルクレール、そして5番手にヒュルケンベルグが続いた。一方、クリアラップが取れなかったオコンが11番手。角田12番手、13番手ノリス、14番手マグヌッセン、15番手デ・フリースと5台がQ2ノックアウトとなった。

2023年F1第3戦オーストラリアGP 角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第3戦オーストラリアGP 角田裕毅(アルファタウリ)

■Q3:メルセデス勢が躍進も王者の牙城崩せず

 ポールポジションを決める最終Q3は12分間。降雨の可能性もあるだけにストロール以外の9台がコースイン。フェルスタッペンはセクター2、セクター3とミスがあるも残り9分のところで1分17秒578をマークしトップに浮上する。

 そのタイムをアロンソ、サインツ、ルクレール、ラッセルが上回るが、そんななかルイス・ハミルトン(メルセデス)が1分17秒271をマークしてトップに。ただ、再アタックに挑んだフェルスタッペンが0.009秒上回る1分17秒262でトップの座を取り戻す。

 セッション残り5分を残してフェルスタッペン、ハミルトン、アロンソ、ラッセル、サインツ、ルクレール、アルボン、ガスリー、ヒュルケンベルグ、そしてまだアタックをしていないストロールというオーダーに。Q3終了のタイミングで雨が降ると呼んだチームもあり、残り4分30秒を切ってから各車再びコースへ。

 ウォームアップを経て残り3分を切ったところからそれぞれ再びアタックに入るが、いずれもフェルスタッペンが記録したタイムには届かない。ただ、ルクレールはサインツを上回り5番手に浮上する。

 フェルスタッペンの対抗馬と期待されたハミルトンだったが、ヒュルケンベルグに引っかかりクリアラップがなかなか取れない。そんななかフェルスタッペンが1分16秒732をマーク。最後にラッセルが1分16秒968をマークし2番手、ハミルトンが1分17秒104で3番手に浮上するも、フェルスタッペンの牙城は崩せず。

 フェルスタッペンが通算22度目、今季2度目のポールポジションを獲得。ラッセル、ハミルトンに続く4番手にアロンソ。以下、5番手サインツ、6番手ストロール、7番手ルクレール、8番手アルボン、9番手ガスリー、10番手ヒュルケンベルグというQ3トップ10となった。2023年F1第3戦オーストラリアGP決勝は、日本時間2日15時にスタートを迎える。

2023年F1第3戦オーストラリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2023年F1第3戦オーストラリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2023年F1第3戦オーストラリアGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2023年F1第3戦オーストラリアGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2023年F1第3戦オーストラリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2023年F1第3戦オーストラリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2023年F1第3戦オーストラリアGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2023年F1第3戦オーストラリアGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

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