FIA、ダブルイエローフラッグの規則を改正。安全性を重視し、該当区間では指定された制限速度で走行へ
FIAは、今週末のF1第7戦モナコGPから新たなルールを設けてF1のスポーティングレギュレーションを改正した。これはダブルイエローフラッグの状況に直面したF1ドライバーに、より厳しい速度制限を課すものだ。
従来、ドライバーは国際競技規則のアウトラインに沿ったレギュレーションに基づいて、ダブルイエローフラッグに対応することが義務だった。これらのルールは、ドライバーが“大幅にスピードを落とし、オーバーテイクを控え、進路変更または停止する準備をしておくこと”を義務付けている。
過去には、セーフティカーの後方を走行中もしくはバーチャルセーフティカー導入中でも、ダブルイエローゾーンを含むコースの特定のエリアでは、速く走ることができたという多くの実例がある。時間差を守りながらも、セーフティカー中に失ったタイムを埋め合わせるためだ。
しかし新ルールでは、ダブルイエローゾーンにドライバーが入るとデルタタイムはリセットされる。ゾーン内で安全性を高め、主にコース内やコース脇で作業をしているマーシャルを守るため、ドライバーたちは指定の制限速度で走行しなければならない。
FIAのF1エレクトロニクス責任者のオリビエ・ユロは、「バーチャルセーフティカーの下では、ドライバーがダブルイエローに入るとダッシュボードに表示されるデルタタイムがリセットされてゼロになり、新しい速度制限内で走行しなければならない」と説明した。
「その速度制限に相対するプラスもしくはマイナスのデルタを彼らは再び得ることになる。そのため、ダブルイエローゾーンに特化していること以外は、これまでと原則は変わらない」
ドライバーは“スローゾーン”の存在を、ステアリングホイールのダッシュボードディスプレイに表示される合図と、無線の音声による合図によって事前に警告される。
「すでにイエローとダブルイエローの警告システムを導入している。ドライバーはイエローもしくはダブルイエローに先立って、マーシャルセクターで警告を受ける。すでにうまく機能しており、新システムにも役立つだろう」
新システムでは、一部のドライバーが不利になる可能性があることが指摘されている。あるドライバーが、後続車が該当エリアに到達するまでには終了するダブルイエローゾーンで減速しなければならない場合、両者の間のタイム差が歪められることになる。
ユロは欠点となる可能性を認めながらも、競争上の結果よりも安全性が優先されると主張している。
「あるクルマがダブルイエローを通過する際は減速しなければならないが、他のクルマには適用されない場合、そのクルマはライバルに比べてタイムを失うことになる。しかしFIAにとっては安全性が最重要であり、コース上に危険があったりマーシャルが出ている場合、何があってもリスクを最小限に抑えなければならない」
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