レッドブル&HRC密着:楽勝ではなかったフェルスタッペン。冷却性能の低下、タイヤのグリップに不安を抱えた決勝レース
結果だけを見れば、F1第9戦カナダGPはレッドブル・ホンダRBPTとマックス・フェルスタッペンの完勝だった。
今シーズンここまで5勝を挙げ、第5戦マイアミGPから3連勝でモントリオールに乗り込んできたフェルスタッペンは土曜日の予選でポールポジションを獲得。スタート直後/1コーナーを制した後、一度もトップの座を明け渡すことなく、完璧なポール・トゥ・ウインを飾った。
確かにこの勝利は完勝だったが、決して楽勝ではなかった。
たとえば、11周目にフェルスタッペンは「鳥にぶつかったようだ」とチームに無線を入れた。クリスチャン・ホーナー代表によれば、「ぶつかったのは右フロントブレーキダクトで、冷却性能の低下がレースに影響しないかどうか不安だった」と言う。
さらに例年よりも涼しいコンディションのなかで行われたため、「タイヤのウォームアップに苦労し、なかなか適正な作動温度領域に入れられず、本来のグリップ力を得ることができない」(フェルスタッペン)なかで70周のレースを走り切った。
この勝利でフェルスタッペンは自身通算41勝目となり、あの伝説のドライバー、アイルトン・セナの記録に並んだ。
「カートに乗っていた幼いころから、F1ドライバーになることを夢見ていたけど、まさかこれほど多くのレースに勝つなんて想像もしていなかった。しかも、アイルトン・セナと並ぶなんて信じられないし、本当に誇りに思う」(フェルスタッペン)
レッドブルにとってもこの1勝はチームの通算100勝目となる記念すべき勝利だった。レッドブルの優勝記録は歴代5位で、レッドブルより上位にいるのはフェラーリ(242勝)、マクラーレン(183勝)、メルセデス(125勝)、ウイリアムズ(114勝)の4チームのみ。
「この勝利をファクトリーで懸命に働いているすべての人々と祝いたい」(ホーナー)
さらにこの勝利で開幕から8連勝となり、2019年のメルセデスの記録にも並んだ。開幕からの連勝記録でこれより上にあるのは、1988年のマクラーレン・ホンダの11連勝。7月からの4戦は、ホンダにとって、偉大な先輩たちが残した記録を目指す戦いとなる。
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