【角田裕毅F1第10戦分析】またも僚友にアタックを妨害された予選。僅差でQ2進出を逃す不完全燃焼な結果に
心配された雨雲が迫って来るなか、開始されたF1第10戦オーストリアGP予選。金曜日に予選が行われるのは、このオーストリアGPが今年は合計6回開催されるスプリントのひとつで、第4戦アゼルバイジャンGPに続いて今年2回目となったからだ。この後はベルギーGP、カタールGP、アメリカGP、ブラジルGP(サンパウロGP)が予定されている。
その予選で角田裕毅(アルファタウリ)は、Q1で敗退した。チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルスは次のようにQ1敗退の理由を説明した。
「Q1で我々は3セットのニュータイヤでQ2進出を狙った。だが、Q2に進出するにはペースが足りなかった。ただし、ユウキに関してはアウトラップの最後にトラフィックが発生し、フライングラップを始めるには理想的なタイヤではなかった。そのため、ユウキは1000分の2秒差でQ2進出を逃した」
角田も最後のアタックのアウトラップで渋滞に引っかかっていたことを認めている。
「クルマの調子がどうかと聞かれれば、メチャいいというわけではなかったんですが、それよりも最後のアタックでトラフィックに引っかかって、自分の力を出し切れなかったのが残念でした」
昨年は最終コーナーひとつ手前の9コーナーに向かう途中でチームメイトだったピエール・ガスリーに抜かれて、アタックに入る直前に再び前車との間隔を保つためにスローダウンを余儀なくされて、1コーナーのブレーキングでタイムをロスした。
今年、最後のアタックに入る前のアウトラップで角田の前にいたのは「(ランス・)ストロール」だと角田は語った。しかし、ストロールだけがいたわけではないとも角田は語ったが、それがだれかは明言しなかった。
そこで角田のオンボードカメラの映像を確認すると、アウトラップの6コーナーから7コーナーの間で後ろから角田をオーバーテイクしていったクルマがとらえられていた。それはニック・デ・フリースだった。デ・フリースはその後、角田の前にいたマクラーレンとアストンマーティンも抜いていったため、角田の前にいた数台もスローダウンを余儀なくされた。
予選後、角田はこう語っていた。
「毎年、ここでの予選は同じような感じで、不完全燃焼に終わることが続いているので、それが悔しい」
角田が言う「同じような感じ」とは、チームメイトに妨害されたということなのだろう。じつは1回目のアタックに出るときも、角田が出ようとした瞬間にデ・フリースもガレージを出て、一瞬角田が止まるというシーンがあった。
角田とQ1で15番手だったバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)とのタイム差は100分の2秒。最後のアタックのセクター1のタイムが自己ベストより1000分の34秒遅かったことを考えると、もし普通にアタックできていれば、角田はQ1を突破できていた。それを阻止したのは、ほかでもないチームメートだったのである。
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