レッドブル&HRC密着:1-2フィニッシュ達成も笑顔なし。“大事故になりかねなかった”一件をレース直後に議論
F1第10戦オーストリアGPのスプリントをフロントロウからスタートし、最終的に1-2フィニッシュを飾ったレッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス。しかし、パルクフェルメに戻ってきたふたりに、笑顔はなかった。
その理由のひとつは、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されたフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権のレース中の事故で、オランダ人のディラーノ・ファン・ト・ホフが18歳という若さでこの世を去っていたからだ。
ホフと同じオランダ人のフェルスタッペンはこう語る。
「僕たちと同じようにF1への夢を持って戦っている若いドライバーをスパで失ってしまったことは、信じられないほど悲しい。コースやウエットコンディションのせいにするのは簡単だ。しかし、より良いドライバーを守るためにはどうすればいいかを考えなければならない」
フェルスタッペンに笑顔がなかったのは、それだけが理由ではない。スタート直後にチームメイトのペレスに幅寄せされたことが、この日1-2フィニッシュしたレッドブルのふたりに笑顔がなかったもうひとつの理由だった。
スタートで前に出たペレスは1コーナーを立ち上がった後、すぐにイン側に走行ラインを変えたが、そこにはフェルスタッペンがいた。フェルスタッペンはたまらず、接触を避けようとステアリングを切るがペレスはさらに幅寄せしてきたため、一瞬コースをはみ出し、片輪を芝生の上に乗せてしまう。
だから、フェルスタッペンは独走でスプリントを制したにも関わらず、パルクフェルメに戻ってきて、コクピットを降りると真っ先にペレスの元を訪れ、確認した。
「1コーナーの出口での一件は大事故になりかねなかった。あれはよくない。だから、話し合ったんだ」
そう語るフェルスタッペンに、ペレスは状況を説明した。
「マックスは僕が1コーナーを立ち上がって2コーナーに向かおうと幅寄せしたことについて怒っていた。自分のポジションを守ろうとしたけど、視界が悪くてマックスが見えなかったんだ。その直後に、マックスがそこにいることに気づいたから、次の3コーナーでポジションを返したんだ。それで、ニコにポジションを奪われた」
スタート直後の1コーナーの立ち上がりで起きた今回の一件は、一歩間違えば、押し出されたフェルスタッペンがスピンした可能性があった。そうなっていれば、後続のマシンたちを巻き込む大事故に繋がっていたかもしれない。それは、まさにスパで起きた事故と同じ。フェルスタッペンが怒るのも、無理はなかった。
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