【角田裕毅F1第12戦分析】前後のウイングが新型に。スピンを喫して損傷も、旧型を使用したFP2で4番手
チームメイトがニック・デ・フリースからダニエル・リカルドに変わった。リカルドはレッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして複数回優勝した経験があり、その後ルノーで表彰台を獲得し、マクラーレンでも優勝した経験豊富かつ実力があるドライバーだ。
そのため、ハンガリーGPではそのリカルドとチームメイトとなる角田裕毅にも注目が集まった。木曜日の朝11時15分から始まった記者会見にはいつも以上に多くのメディアが詰めかけた。
しかし、角田はチームメイトが誰になろうと、自分がやるべきことは変わらないと言う。
「変わったのはチームメイト。僕は特に何も変わりません。ただ、リカルドがレースで勝ったこともある経験が豊富なドライバーなので、いろんないいことを学べるんじゃないかなと期待しています」
角田には、このF1第12戦ハンガリーGPでチームメイト以上に気になっていることがあった。それは前回のイギリスGPに続いて、このハンガリーGPにもアップデートパーツが投入されたことだ。
フロアとノーズも新しくなったが、最も大きいのは前後のウイングが新しくなったことだ。フロントウイングは従来のジオメトリーと比較して、中央のエレメントが引き上げられ、翼端板の外側のフラップの形状も変更された。この変更により効率的なダウンフォースの発生をもたらすという。
またリヤウイングは従来のジオメトリーと比較して、フラップ先端が変更されている。この変更で、より高い負荷を効率的に増加させるという。
ところが、その新しいフロントウイングを、角田はフリー走行1回目に壊してしまった。
「ターン5の立ち上がりでスピンして、タイヤバリアに右側を軽く接触しました」と言った後、角田はこう続けた。「それ自体はよくなかったですけど、リヤウイングのほうが(効果は)大きいので……」
その言葉は決して、強がりではなかった。じつは今回、アルファタウリが持ち込んだ新型のフロントウイングは各ドライバー1セットのみで、スペアはなかった。したがって、角田はフリー走行2回目では旧型のフロントウイングで走行した。にもかかわらず、新型のフロントウイングを装着していたリカルドをコンマ4秒おさえて、4番手のタイムをマークした。
新しいフロントウイングを壊したことは反省しなければならないが、シーズン途中でチームメイトが交代するという状況のなかで、チームリーダーとして速さを見せたパフォーマンスはさすがである。
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです