F1第13戦木曜会見:角田、自身の進歩に満足もミスが増えたと認める「できることに集中するよう自分に言い聞かせている」
ここまでの2戦で、連続して2位表彰台に上がったランド・ノリス(マクラーレン)。特に前戦ハンガリーGPは低速かつ高い路面温度と、マクラーレンにとっては不利な状況と思われていたにもかかわらず、メルセデスやフェラーリを蹴散らした。そして今週末のスパ・フランコルシャンは、シルバーストンと似たコース特性だ。
Q:シルバーストンとハンガロリンクで連続表彰台を獲得し、絶好調ですね。ここでの期待は?
ノリス:スパは今シーズンで最も好きなサーキットのひとつだし、マクラーレンにとって得意なコースのはず。だからこれまでと同じように走れない理由はないよ
Q:ハンガリーの決勝レース後、スパのターン1はマクラーレンに不利だと言っていましたよ。
ノリス:まずは週末の天候とか、コンディションがどうなるかだね。数年前まではウエットコンディションに助けられたけど、逆に酷い目に遭ったこともあった。でも今年のマシンは、競争力がある。僕たちは明らかに、大きな大きな一歩を踏み出したと言っていい。期待以上の戦闘力で表彰台争い、ポールポジション争いをしている。ただ今回は、これまでの数戦よりもトリッキーな週末になるかもしれない
Q:大きな、大きな一歩だと言いましたが、今週投入予定のアップグレードで、さらに1周1秒速くなるとか。
ノリス:まさか。1秒なんて、それはないよ。実際は、他のライバルたちが、今はそれほど競争力がないということだ。アストンマーティンを見ても、フェラーリを見ても、彼らは僕らよりずっと前にいたのに、なぜか順位が入れ替わってしまった。ただし過去2戦のサーキットは、僕たちは過去にもいいパフォーマンスを見せてきた。
Q:バランスという点では、それほど変わっていない感じですか?
ノリス:いや。でも、表彰台を争うことに変わりはないし、速くなった。ある意味、それだけを求めているんだ。クルマはまだ運転が難しいし、一貫性を保つのも難しい。タイヤマネジメントなど、まだもっとうまくやる必要があると思う。それは先週末から明らかだったと思う。僕たちの弱点のひとつだった。でも、僕たちが一歩前進できたことには満足できると思う。最初の数レースでQ1通過に苦労していた状態から、ポールポジションを争うまでになったのは、F1では長い間、最大級の進歩だと思う。しかもシーズン中盤にだ。常に改善すべき点はあるし、それが僕たちがやろうとしていることなんだ
ノリスの隣に座る角田裕毅(アルファタウリ)には、新たなチームメイトについての質問が飛んだ。
Q:まだ日が浅いですが、ダニエル・リカルドとの関係はどうですか?
角田:いい感じです。ダニエルからは、すでにいろいろなことを学んでますしね。木曜日のチームの撮影会も、今までより愉快に過ごしています。それ以外は、特に大きな変化はないですけどね
Q:クルマについてのリカルドのフィードバックは、ニック・デフリースとは違うものですか?
角田:似ていると思います。僕が言っていることとダニエルが言っていることも、よく似ているし。もちろん、まだ1回レースを戦っただけだし、ハンガリーはちょっと特殊ですけどね。でも今のところ、大きな違いはないです
Q:マシンのパフォーマンスについてはどうですか? 進歩していると感じていますか?
角田:ハンガリーでは残念ながら、FP1でフロントウイングを壊してしまいました。なのでその部分の新しいアップグレードについては不明です。とはいえリヤウイングは、確実に進歩してますね。それは確かですが、ただハンガリーは低速コースで、メカニカルグリップが求められる。そこでマシンパフォーマンスがよかったと言っても、アップグレードの寄与率は低い。全体的には、まだ足りないところが多い印象です
Q:シーズン全体としてはどうですか? 2023年に望んでいたようなステップアップはできていますか?
角田:開幕序盤の数戦は、自分のパフォーマンスに満足できました。でもこの3戦は、僕自身が少し混乱していた感じです。無線でのやりとりとか、集中したいところ、改善したいところなど、まだいくつか課題があります。Q2やQ3に進もうとか、ポイントを獲りたいとか、そういう気持ちが強すぎて、そうすると必然的にミスも増える。確実に序盤2、3戦より、自分のミスは増えています。実際、あの頃はクルマの性能を見極め、様子を見るだけで、焦ることはなかったですし。なので今は自分をリセットして、できることに集中しなければならないと、自分に言い聞かせています。とはいえ去年と比べれば、自分の進歩には満足していますよ。ダニエルはもっと多くの情報を与えてくれるだろうし、一緒にマシンを速くしていければと思っています
質問の後半は今季の振り返りだったが、角田は自身の課題、足りない部分についても、かなり率直に語っているのが印象的だった。
そして最後の各ドライバーへの質問は、「スパ・フランコルシャンにDRSは必要か」というものだった。
Q:スパはみなさんが大好きなサーキットですが、近年はそれほどエキサイティングな展開ではありません。具体的には、オーバーテイクが簡単すぎるのではないかということです。昨年はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、最後尾スタートから優勝してしまいました。ケメルストレートのDRSは、本当に必要でしょうか。
アレクサンダー・アルボン:むしろ逆だと思う。今の一番の問題は、マシン同士のタイム差がどんどん縮まっていることだ。そうなると当然、コース上でのオーバーテイクはどんどん難しくなる。だから僕はむしろDRSゾーンをもっと大きくして、オーバーテイクを促進する必要があると思う
ノリス:(最高速の速い)ウイリアムズの後ろにいるときは、どこでもDRSゾーンをもっと長くすべきだろうね! 確かに競争が接近してきているから、オーバーテイクは難しくなる。レッドブルやマックスを例に出すのは、その意味で適切ではない。彼らなら、たとえ全レースで最後尾スタートでも、DRSがあろうとなかろうと、必ず追い抜いてくる。でも中団グループは、そういうわけにはいかない。去年から今年にかけても、クルマがかなり進化してきて、その結果追い抜きは以前よりも難しくなっている。だからDRSは必要だ。そうでなければ、テレビを見たくなくなるよ
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