F1分析|ソフトタイヤが一番長持ち! ベルギーGPで起きた大逆転現象

 

 F1ベルギーGPの決勝レースは、ある意味不思議なレースであった。本来ならば長持ちするはずの硬めのタイヤがあまり機能せず、性能劣化も顕著……一方で本来ならば早めに性能が劣化するはずのソフトタイヤが最も長持ちする形となったのだった。しかも週末の間ずっと雨がちであり、ドライコンディションで走行できるチャンスはほぼゼロで決勝レースを迎えた……そのため、1ストップから3ストップまで、様々な戦略が入り乱れることになったのだった。 そのレースを、ラップライム推移を視覚化し、検証してみよう。 この難しいレースを最も顕著に表したのが、マクラーレンのランド・ノリスだった。 ノリスとマクラーレンはシーズン序盤こそ苦戦したものの、オーストリアGPで投入したアップデートが大いに効果を発揮し、イギリスGP、ハンガリーGPと連続で2位表彰台を獲得。一気にトップチームの仲間入りを果たしてみせた。 今回のグランプリでも、マクラーレンは予選の段階から揃って上位につけ、土曜日に行なわれたF1スプリントでは、ノリスのチームメイトであるオスカー・ピアストリが2位に入った。 決勝レースでも同じような活躍を見せると思われたが、ピアストリは接触により1周目にリタイア。ノリスはレース序盤からペースが上がらず、ずるずると後退。5周目にピットストップし、スタート時に履いていたミディアムタイヤを早々に諦め、ハードタイヤへと履き替えた。 ただこのハードタイヤでもノリスのペースは上がらず、やはりポジションを落としていく結果に。そして17周目に2回目のピットストップを行ない、ソフトタイヤへと交換。これにより、最後尾までポジションを落とすことになった。 ただ、ここでノリスは突然息を吹き返す。それがグラフを見ていただくとよく分かる。オレンジ色の折れ線が、ノリスのペースを示したモノだ。 …読み続ける

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