F1予選のトラフィック問題、ラップタイム制限では解決できない?「例えばラスベガスは厄介かも」
FIAは9月のF1イタリアGP以来、予選時にアウトラップでスロー走行をしているクルマがアタックを妨害してしまうという問題に対し、対処を行なってきた。 これまではアタックを終えてピットに戻る際に一定速度を保つよう求められていただけだったが、イタリアGPでは過度なスロー走行を避けるため、予選におけるラップタイム(正確にはピット出口・入り口に引かれたセーフティカーライン間のタイム)に制限が設けられた。 アウトラップも含めて、このタイムをオーバーしたドライバーにペナルティを科すというスタンスはイタリアGPでは功を奏した。タイトなストリートサーキットであるシンガポールGPではドライバーやチームが管理した方が良いと判断されたものの、日本GPでは同様のアプローチが採用された。 こうした取り締まりはタイヤのオーバーヒートを防ぐためにゆっくり走りたいドライバーにとっては厄介だが、コース上のギャップを予測しやすくなるため、チームにとっては予選がやりやすくなったと言える。 メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショブリンは次のように語った。「みんなが同じタイムで走るようになり、予選のセッションが整理された。それこそFIAがそうしたアプローチをした理由だ」「ニアミスしたり、接近スピードが非常に高かったりするケースがいくつかあった。しかし厄介なのは、非常に制約が多くなることだ」「結局のところ、誰もがデルタを見ながら走り回ることになる。もし速いラップをしたかったら前のクルマのギヤボックスに近づき、ギャップが1秒に縮まった状態でラップを始めることになるからだ」 ショブリンは今のところ、このシステムはメリットがデメリットを上回ると考えているが、ドライバーがタイヤに熱を入れるために速く走る必要がある場所では、このシステムは機能しないかもしれないと考えている。 たとえば日本GPでは、アタックの最後までタイヤが保たなかったため、ドライバーたちはできるだけアウトラップをゆっくり走り、タイヤを冷やしてアタックしたいという状況だった。 一方でラスベガスGPのように、気温が低くタイヤが適切な温度領域に入りにくいサーキットでは、ドライバーたちはよりアグレッシブにアウトラップを走るはずだ。 …読み続ける
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