元F1最高権威者エクレストン、海外資産の申告漏れを認め、約1200億円の追加納税。有罪判決も実刑を免れる

 

 F1の元最高権威者バーニー・エクレストンは、シンガポールに所有する4億ポンド(約731億円)の海外資産について申告しなかった件について、詐欺の罪を認めた。エクレストンはイギリス歳入税関庁(HMRC)に6億5260万ポンド(約1187億円)を支払うことで、民事上の和解をした。これにより、今週、サザーク刑事法院において、エクレストンには懲役17カ月、執行猶予2年の判決が言い渡された。

 昨年、イギリス歳入税関庁(HMRC)の代理を務めるイギリス検察庁(CPS)がエクレストンを起訴した。検察は、虚偽の報告による詐欺と4億ポンド(約731億円)を超える海外資産の申告漏れについて、エクレストンを起訴する権限を与えられた。25億ポンド(30億ドル/約4569億円)と推定される純資産を所有する92歳のエクレストンは、当初は無罪を主張し、裁判に先立って無条件の保釈を認められた。

 今回の告発は、HMRCによると「複雑で世界的な」調査の結果によるもので、エクレストンがシンガポールの銀行口座にある約6億5000万ドル(当時の価値で約4億ポンド)相当の信託を申告しなかったことが明らかになった。

 木曜日、エクレストンはサザーク刑事法院に出廷し、申し立てを有罪に変更した。法廷では、10月9日にエクレストンが18年分の追徴課税として6億5260万ポンド(約1187億円)をHMRCに支払ったことで民事和解が成立したことが明らかになった。

ファビアナ・エクレストン&バーニー・エクレストン
2022年F1第21戦ブラジルGP ファビアナ・エクレストン&バーニー・エクレストン

 これにより、エクレストンには懲役17カ月、執行猶予2年の判決が言い渡された。

『Sky News』によると検察官らは、2015年7月の面談でエクレストンが娘のデボラ、タマラ、ペトラのために「単一の信託のみを設立した」と、虚偽または誤解を招く説明を行ったと述べたという。当時、エクレストンはHMRCの係官から、他の「英国内外にある」信託とつながりはあるかと質問され、「ノー」と答えていた。

 検察官のリチャード・ライトKCは次のように述べた。

「その答えは虚偽もしくは誤解を招くものだった。エクレストン氏は、彼の答えが虚偽もしくは誤解を招く可能性があることを知っていた」

「2015年7月7日の時点で、エクレストン氏は状況の事実を把握していなかったため、質問に答えることができなかった。エクレストン氏は、問題の口座の所有権がどのように構成されているか完全に理解していなかった。したがって彼は問題の口座でやり取りされる金額に関連して、税金、利息、罰金の義務があるかどうかわからなかった」

「エクレストン氏は自身の回答が間違いであったことを認識している。なぜならHMRCが彼のケースの調査を継続しない恐れがあったからだ」

「彼は現在、これらの件に関して税金が支払われるべきであることを認めている」

 エクレストンはF1を数十億ドル規模の巨大企業に育て上げた元最高権威者であり、2018年初頭にリバティ・メディアに買収されるまでF1を率いていた。

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