【角田裕毅F1第6戦密着】予選に向け大きくセットアップを変更「アタックラップで納得の走りができた」と評価
予選13番手は、今シーズンに関して言えば、第3戦オーストラリアGPと同じ結果だ。そのとき、角田裕毅(アルファタウリ)は「Q1までは(Q3へ行ける)ポテンシャルを感じられていただけに、すごく残念です」と悔しがっていた。
しかし、今回の第6戦スペインGPで、予選直後にミックスゾーンに現れた角田の表情はメルボルンほど厳しくはなかった。それは、予選に臨む直前の状況がオーストラリアGPとは大きく異なっていたからだ。オーストラリアGPでは冒頭のコメントでも言っているように、角田はQ3へ進出できる手応えを感じていた。ところが、今回はQ3はおろか、Q2へも進出できないという危機感を持って、角田は予選に臨んでいた。
「(金曜日の夜にセットアップを変えて)昨日よりはよくなっていましたが、それでもまだだいぶバランスには苦しんでいたので、かなり厳しい予選になることは覚悟していた」という角田。
フリー走行3回目の後、予選までは基本的にセッティングは微調整するくらいで、大きく変更することはない。なぜなら、大きく変更したセッティングが必ず当たるとは限らないのと、大きく変更したマシンに自分のドライビングを合わせる練習ができないからだ。
ところが、角田とチームはフリー走行3回目が終わってから、予選が開始される前までにセッティングを大きく変更する決断を下した。こうして臨んだ予選Q1の1回目のアタックで、角田はターン12でコースをはみ出し、トラックリミット違反を問われ、タイム抹消となる。しかし、予選に向けて大きく変更したセットアップによって、クルマのバランスはフリー走行3回目よりも改善されていたことがわかった角田は、残り2回のアタックをフリー走行時よりも自信を持って行うことができた。
「フリー走行3回目の後にまたセットアップをガラッと大きく変えたのですが、それがうまくいったみたいで、現時点でクルマかが持っているポテンシャルを最大限チームとして引き出せたかなと思っています」
オーストラリアGPと同じ13番手だが、その内容は大きく違う。オーストラリアGPではチームメイトのピエール・ガスリーに予選で負けていたが、今回はガスリーがマシントラブルによりフリー走行3回目で1周しか走行できなかったというトラブルがあったものの、すべてのアタックでチームメイトを上回っていた。
「フリー走行3回目ではチームメイトが走れない分、できるだけ自分がデータを収集して、予選に向けていいクルマづくりができたのはよかった。予選でもすべてのアタックラップで納得できる走りができたので、いい予選だった思うし、そこは自分でも評価したい」
タイヤに厳しいカタロニア・サーキット。予選前に大きく変更したセットアップが正しかったのかどうかの答えが出るのは、日曜日のレース後だ。
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