ポーパシングを止めたいなら、車高を上げればいいじゃない! メルセデス”以外”のF1チーム、ルール調整に否定的
メルセデスのジョージ・ラッセルは、今季取り沙汰されているポーパシングの撲滅に向けて現在のテクニカルレギュレーションに調整を加えるべきだと主張しているが、ライバルF1チームはそうした動きに対して否定的な立場を取っている。
テクニカルレギュレーションの刷新により今季からF1にグラウンドエフェクトカーが復活。同時に、第一期グラウンドエフェクト時代にもチームやドライバーを悩ませたポーパシングも帰ってきた。
ポーパシングは、ダウンフォースの増減によりマシンが上下に振動してしまう現象を指す。
グラウンドエフェクトが生むダウンフォースによってマシンが押さえつけられ、車高が下がると、フロア下の気流が変化しダウンフォースが抜けてしまい、車体が浮き上がる。車高が高くなったことでダウンフォースが復活すると、再び車高が下がる……これが高速で繰り返されることで、マシンが激しい縦揺れを起こすのだ。
この現象は、今年のプレシーズンテストから多かれ少なかれ全てのチームに発生。車高を上げればこのポーパシングは解消されるが、それに伴ってパフォーマンスも低下する。そのため、多くのチームが妥協点を見出したりアップデートを投入することによりポーパシング、もしくはポーパシングによるパフォーマンス低下を解消していった。
一方でメルセデスは、スペインGPの大型アップデートでポーパシングが改善されたようにも見られたが、続くモナコGP、アゼルバイジャンGPとマシンの振動は収まらなかった。その振動はマシンを通して搭乗するドライバーの身体にも影響を与える程のモノだという。
低速のモナコでもバンプの対処に苦しんだことから、メルセデスは空力が原因で起こるポーパシング以外にも、問題を抱えていると考えられる。
アゼルバイジャンGPの金曜日に行なわれたドライバーズブリーフィングで、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の理事を務めるラッセルは、高速で揺さぶられることによる安全性への影響を懸念し、チームがそれぞれに解決すべきことなのか、それともFIAの介入が必要なのかという点を議題に挙げた。
「大きな事故が発生するのは、時間の問題だと思う」とラッセルはアゼルバイジャンGPの予選終了後に語った。
「僕らのほとんどが、今回のコースにあるようなバンプの上で、マシンを真っ直ぐに走らすのにも苦労している」
ラッセルのチームメイトであるルイス・ハミルトンは、アゼルバイジャンGP決勝レース中、振動からくる脊中の痛みは「表現できない程」だったと語っている。
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