ナイジェル・マンセル、ウイリアムズFW14Bを30年ぶりにドライブ「あの成功の日々を、昨日のように思い出す」
ナイジェル・マンセルが、2022年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、1992年にF1ワールドチャンピオンを獲得した時の愛車”ウイリアムズFW14B・ルノー”をドライブ。詰めかけた観衆を魅了した。
このウイリアムズFW14Bは、鬼才エイドリアン・ニューウェイがデザインしたマシンであり、リ・アクティブサスペンションをはじめとしたハイテク機器で武装。1992年のF1で圧倒的な強さを見せ、マクラーレン・ホンダやベネトン、フェラーリなどをまったく寄せ付けなかった。同年のマンセルは開幕5戦連続のポール・トゥ・ウインを挙げるなど、16戦中9勝、ポールポジション14回という強さだった。
ウイリアムズFW14Bは、1992年シーズン終了後しばらく走行していなかったが、2017年にチームの創設40年を記念して復活。カルン・チャンドックの手により、シルバーストンを久々に走った。そして今回、ついにマンセルがステアリングを握る瞬間がやってきた。
走行を前にコクピットに収まった時、既に感無量だったと語ったマンセルは走行を終え、次のように語った。
「コーナーでは信頼して乗ることができたよ。とても古いマシンだからデリケートだけどね。ギヤボックスもうまく動いていないから、クラッチはは少しトリッキーだった」
そうマンセルはインタビューで語った。
「印象的なマシンのうちの1台であり、我々が成功したのは本当に特別なことだ。今ここに座っていると、30年も前のことには思えない。昨日のことのように感じる」
「このマシンは私にピッタリだ。ここで眠ることだってできる。そして、勝った全てのグランプリやポールポジションのことを思い出させてくれた。私にとっては本当に特別な歴史だ」
なおFW14Bのコクピットでインタビューを受けるマンセルを遠目で見ていたのが、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。ラッセルは昨年までウイリアムズに在籍していた、言わばマンセルの後輩である。
マンセルはラッセルの姿を見つけると手招きして呼び寄せ、そして固い握手とかわすと、ふたりは柔和な表情で語り合い始めたのだった。
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