【角田裕毅F1第10戦密着】「ドライ寄りのセットアップ」で臨んだ予選。雨脚の強まったQ2では賭けに出るも13番手
チームメートのピエール・ガスリーが15番手、角田裕毅も17番手に終わったF1第10戦イギリスGPのフリー走行3回目。しかし、その後、雨雲がシルバーストン・サーキットに近寄りだす。だが、イギリスの天候は予測が難しい。そこで、アルファタウリは公式予選に向けて、2台でセットアップを変えた。ガスリーは雨が完全に降ることを予測したフルウエットセッティングにし、角田は雨用でもドライ寄りのセットアップにした。
「ピエールのほうがどちらかというと雨寄りのセットアップにしてダウンフォースをつけていたのに対して、僕は全体的にダウンフォースを低くして、ドライ寄りのセットアップで予選に臨みました」
予選が開始される午後3時直前、シルバーストン・サーキットの上空から雨粒が落ち始め、やがて本格的に降り出した。ドライ寄りにしていた角田にとっては、その雨はガスリーよりも難しいコンディションになった。
それでもQ1で角田はインターミディエイトタイヤで走り続け、Q1終了間際の最後のアタックで自己ベストを更新して、17番手から13番手へとポジションアップに成功し、第8戦アゼルバイジャンGP以来、2戦ぶりにQ3に進出した。
Q1落ちしたドライバーの多くが、途中でピットインして新品のインターミディエイトタイヤに交換したものの、タイヤを温めきれずに満足なアタックができなかったことを考えると、角田とアルファタウリのこの戦略は功を奏した形となった。
なんとかQ1を突破した角田だが、Q2が始まると雨脚が強くなり、厳しい状況となる。1セット目のインターミディエイトタイヤでトップ10内に入ることができなかった角田は、一旦ピットイン。
「1セット目のアタックでタイムが伸びなかったので、賭けに出ました」と言う角田だったが、雨脚はさらに強くなり、Q2の1セット目で出したタイムを上回ることができず、13番手に終わった。
しかし、予選後の角田にこの日の雨をうらむ気持ちはない。
「そもそも、もし雨が降らなければ、僕たちはQ1を突破するのも難しかったと思うので、雨が降ったこと自体は僕たちのチームにとってはよかったと思います」
だから、日曜日のレースも期待している路面コンディションは完全なドライではなく、「ドライ寄り」(角田)を望んでいる。
しかし、土曜日の段階で翌日のシルバーストンの天気予報は晴れ。そのことは角田も覚悟している。
「厳しい戦いになると思うんですけど、すべてを完璧にやる気持ちで走って、ポイントを獲りに行きたいと思います」
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