ポーパシング対策としてのF1フロア規則の変更に6チームが猛反発。FIAは安全面で妥協はできないと言明
新世代F1マシンが抱える問題であるポーパシング/バウンシングはドライバーの健康面や安全性において懸念すべきことであるとして、FIAはこれを解決するために介入を決めた。しかし、10チーム中6チームが強い反発を示し、2023年の技術レギュレーション変更に対して法的措置を検討すると主張するチームもあるといわれる。
FIAは、短期的な対策としては、ベルギーGPからチームが新しい技術指令に従うことを求め、2023年にはフロア周りの技術レギュレーションを変更、ポーパシングを抑制し、フロアのたわみをより厳格に取り締まる計画を立てている。この時期になってからのレギュレーション変更について、FIAは、安全性に関わる問題であり、チームの同意を必要としないと主張している。
これについて、特にポーパシング/バウンシングに苦しめられていないチームは反発し、法的手段を取ることを示唆する者もいるといわれる。反対派は、レッドブル、フェラーリ、アルファタウリ、アルファロメオ、ハース、ウイリアムズで、FIAの提案を覆すため、6チームの代表者はフランスGPの週末、何チームずつかに分かれて何度も会合を開き、今後の対策を練った。
アルファロメオ代表フレデリック・バスールは特にこの動きに積極的で、ポール・リカールでの日曜朝、親しいギュンター・シュタイナー(ハース)とともに、クリスチャン・ホーナー(レッドブル)、マッティア・ビノット(フェラーリ)、ヨースト・カピート(ウイリアムズ)と話し合いをした後、「この件はまだ終わっていない。状況は変わるだろう」とコメントした。
暫定的にFIAスポーツ担当事務総長を務めているシャイラ・アン・ラオは、交渉の余地はあるものの、安全性向上については譲歩できないと示唆した。
「今の時点でこれは提案に過ぎません。まだ確定してはいないのです。私たちは常にドライバーの安全のために取り組みを行っています。安全性に懸念があるときに、私たちが介入しなければどうなるでしょう」とシャイラ・アン・ラオは語った。
一方、FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、ドライバーたちの本音を聞くため、ひとりずつ面会して話を聞いている。彼が最も注目したのは、カルロス・サインツとピエール・ガスリーの発言だろう。彼らが所属するフェラーリとアルファタウリはFIAに対抗するグループに入っているため、この問題について話すことを今はドライバーたちに禁じているが、その前の時点では、ふたりは長期的に見てポーパシングがドライバーの健康に大きな影響を及ぼす可能性があると強く主張していた。
2023年レギュレーションの確定が急がれるなか、ハンガリーGPでは引き続きこの件についての会合が行われる見込みだ。
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