未だ止まないトラックリミット取締への不満……フェルスタッペン「FIAは僕らを素人扱いしている。助言を聞いてくれない」

 

 今季のF1では、新たにレースディレクターに就任したニールス・ウィティヒやエドゥアルド・フレイタスによって、これまで以上に厳格にトラックリミットが取り締まられるようになっている。F1ハンガリーGPでも、予選を終えてトラックリミットに関する議論が再燃した。
 予選Q2では、セルジオ・ペレス(レッドブル)が最初に記録したラップタイムがターン5出口でのトラックリミット違反の疑いで削除されたが、FIAが再度確認した結果、実際には白線を越えていなかったことが発覚してラップタイムが復活したという一幕があった。
 またピエール・ガスリーはQ1でのトラックリミット違反により、一時はQ2突破圏内に上がったもののタイム抹消によりノックアウトされた。その一方でオーストリアでは、ペレスがQ2でのトラックリミット違反を見逃されてQ3に進んだ結果、最終的にはQ2とQ3のタイムが両方抹消されるという事件もあった。
 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ドライバーたちがFIAに対して「より厳格に、明確に」トラックリミットを取り締まるよう求めてはいたものの、彼はそれが行き過ぎていると感じているという。
「昨夜(金曜日)、僕たちはターン13の出口について議論を始めたけど、コースの端は(ピットレーン入口に繋がる)点線ということだった」とフェルスタッペンは言う。
「その外に白線と縁石があるけど、個人的にはそっちがコースの端だと思う。そういった馬鹿馬鹿しい細々としたことがあって、それが取り締まりを厳しくしているんだ」
「ドライバーとしては助けになりたいしアドバイスもしたいけど、何も聞いてもらえないし、それが非常に腹立たしいんだ」
「彼らと争いたいわけじゃない。ただ助言をしたいだけなんだけど、彼らは気にも留めていないようだ」
「僕の感覚では、僕たちのことをアマチュアのように見ているんじゃないかと思う。それは正しくないと思う」
 フェルスタッペンは、F1マシンのオンボードカメラから見える景色は、トラックリミットを適切に判断する上で必ずしも正確ではないと考えている。そのため、グラベルのようなものを設置して、コース外に出た者をより直接的に罰するようにすることを求めている。
「コーナーの出口とかに少しグラベルを敷いたりすることで、もっと簡単になると思うんだ」
「例えばオーストリアでは、ターン4とターン6にトラックリミットは必要だろうか? そこにはグラベルがあって、ワイドに走れば損をするし、フロアにもダメージを与えることになる。つまりマシンが遅くなるんだ」
「そういった点では相当厳しくなる。もちろん、白線の内側を走ればいいじゃないかと言う人もいるけど、そうやって言うことだけは簡単だ」
「先ほどの点線の件もそうだけど、今は何もかもが混乱しているんだ」
 またペレスも、Q2でのタイム抹消と復活は「厄介」だったとして「どうすればもっと一貫性を持って前進できるか、検証する必要がある」と語っていた。
 そしてハースのケビン・マグヌッセンもペレスの考えに同意し、次のように述べた。
「本当にイライラする。彼らがなぜこんなことをするのか分からない。誰に得があるんだろうか」
 さらにアルファロメオのバルテリ・ボッタスは「セッション中はトラックリミットの取り締まりで彼らが大忙しだろうね」と話し、さらにこう続けた。
「理想的ではないけど、少なくともダブルチェックはしているようだし、それは良いと思う。トラックリミットの範囲内であると証明できればラップタイムが生き残るということに関しては、間違いなくそうあるべきだと思う」
 
 
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