【角田裕毅F1第8戦分析】ブレーキトラブルの原因を究明、アプローチを変更して臨んだ初日。温度を調整しながら走行
2023年F1第8戦スペインGP前日の木曜日、角田裕毅(アルファタウリ)はモナコGPでのブレーキトラブルの原因を次のように説明した。
「昨年、(ピエール・)ガスリーが悩まされていたときと同じような症状で、原因はわかっています。ただ単にマテリアル(素材)が合っていなかったという感じです」
ブレーキはサーキットごとに最適な温度域に合わせて変えている。このスペインGPからは、それを見直すと言う。
「アプローチを変えます。素材はサーキットによってブレーキの最適な温度域が違うので、それをもう少しアグレッシブな方向へ変えますし、ブレーキの冷却系システムもいままではオーバーヒートしないように(ブレーキダクト内の)仕切りをしっかりと区切っていたのを少し粗くして冷えすぎないようにします」
スペインGP初日のアルファタウリの2台は、ブレーキが冷えすぎないようブレーキダクトの入口をテープで塞いでいた。
それでも、フリー走行2回目で角田は、ブレーキの温度をコントロールしなければならなかった。
「簡単ではなかったです。意識してブレーキを温めないと問題になりやすかったですから」
ブレーキを温めるにはブレーキングしなければならない。さらにブレーキの熱によってタイヤの温まり方も変化する。ブレーキの温度をコントロールしながらのドライビングというのは、想像以上に難しい作業だ。
それ以外にも、この日はアップデートパーツのフィードバックも行わなければならなかった。このアップデートパーツはモナコGPから投入されているが、モナコは低速コースなので、空力の評価がしにくいため、パーマネントサーキットのカタロニア・サーキットでの評価が重要となる。
しかし、その評価は期待していたほどではなかった。
「乗っている感じではそんなに悪くないんですが、そんなに速くないので、土曜日に向けてどうやって改善させていくのかをエンジニアとともに見つけていかなければならないですね」(角田)
とはいえ、今シーズンの角田は、ここまで金曜日に苦労しながらも、土曜日にジャンプアップしていた。昨年、力強い走りで入賞を果たしたサーキットで、再び疾走する角田を見たい。
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