グランツーリスモの1台が現実に……マクラーレン、一人乗りサーキット専用マシン『ソーラスGT』を発表。限定25台

 

 マクラーレン・オートモティブは8月20日(土)、カリフォルニアのモントレーで開催されている「モントレー・カー・ウィーク」にて、限定25台の一人乗りのサーキット専用マシン『ソーラスGT』を発表した。
 ソーラスGTは、ゲーム「グランツーリスモSPORTS」に登場したコンセプトマシン”ビジョン・グランツーリスモ”を現実モノとすべく開発された、クローズドコックピット式のシングルシーターだ。
 モノコックにはF1マシンのシャシー製造にも使用される”プリプレグ”工程を経たカーボンファイバーを使用。前後の衝撃吸収構造や独立ホイールポッド、フロア下のヴェンチュリ・トンネル、大型リヤウイングなどをカーボンファイバー製とすることで、車重を1,000kg以下に抑えながらも1,200kgのダウンフォースを発生させることが可能な空力パッケージとなっている。
 搭載されるエンジンの仕様は、”モータースポーツ由来の”5.2リッター自然吸気V型10気筒だ。LMPマシン用に設計されたストレートカット・ギヤを採用した7速シーケンシャルトランスミッションとの組み合わせにより、最高出力は840psで最大トルクは650Nm、最高回転数10,000rpmを超えとなっている。
 ハイダウンフォースマシンながらも、ソーラスGTの0-100km/h加速の目標タイムは2.5秒で、最高時速は320km/h超えだという。
 エアインテークはコックピット上に設けられ、冷却のためのラジエターはサイドポッドに格納されている。ホイールはセンターロック式の18インチ鍛造アルミ製で、タイヤにはLMP仕様のスリックとウエットが用意されている。
 サスペンションはダブルウィッシュボーン構造で、フロントがプッシュロッド、リヤがプルロッド。ウィッシュボーンとロッドは耐久性のためスチール製だが、空力パフォーマンスのためにカーボンファイバー製のシュラウドで覆われており、現行F1では禁止されたヒーブダンパーも搭載されている。

 またソーラスGTで特筆すべきは、そのコックピット。戦闘機、もしくは宇宙船に乗り込むかのような前後スライド式のキャノピーにより、クローズドコックピットとはなっているが、ドライバー保護のためにHALOの技術も使用されているという。
 インテリアは速さを求めたシンプルな仕様。カーボンファイバー製のステアリングホイールが採用され、ブレーキバイアスなどドライビングに必要な操作系もここに集約されている。
 25台限定生産のソーラスGTは既に完売しており、25名のオーナーそれぞれに合わせたオーダーメイドのシートが搭載される。また彼らにはドライバー育成プログラムが提供される他、特注のFIAの認可を受けたレーシングスーツ、ヘルメット、HANSデバイスなどが与えられる。
 ソーラスGTは現在、サーキットでのテスト走行を行なっている段階。25名の購入者はプロトタイプマシンの走行セッションに参加し、マシン開発に意見を述べることが可能だという。デリバリーは2023年を予定している。
 
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