アルピーヌか? マクラーレンか? ピアストリの契約問題、8月29日に契約認定委員会開催へ

 

 現在アルピーヌのリザーブドライバーを務めるオスカー・ピアストリは、アルピーヌと契約が結ばれていることを否定し、来季同チームのレギュラードライバーを務めることを拒否している。そして、既にマクラーレンと契約を結んでいると考えられている。
 これについてはアルピーヌ側も契約不履行を主張しており、この件はF1の契約認定委員会に持ち込まれることになった。motorsport.comの取材によれば、この委員会の会合が来週にも開かれ、ピアストリとの契約が有効なのはアルピーヌなのか、それともマクラーレンなのかが判断されるようだ。
 アルピーヌは今月始め、今季限りでチームを離れることになったフェルナンド・アロンソの後任として、現在リザーブドライバーを務めるピアストリを、来季のレギュラードライバーに起用することを発表した。
 しかしその直後、ピアストリは自身のSNSでアルピーヌに加入することを否定。次のように語った。
「僕の同意なしに、アルピーヌF1が今日の午後遅く、僕が来年彼らのためにドライブするというプレスリリースを出したと理解している」
「これは間違っているし、僕はアルピーヌと2023年の契約を結んでいない。僕が来年、アルピーヌのドライバーになることはない」
 ピアストリがこの投稿を行なったのは、既にダニエル・リカルドの後任としてマクラーレンと契約を結んでいたためだと考えられている。
 しかしアルピーヌは、ピアストリとの契約が有効であることを固く信じている。一方でマクラーレン側も、ピアストリとの契約の有効性を主張しているようだ。そのためこの問題については、契約認定委員会の介入によって解決が必要な状況に陥っていると言える。
 状況をよく知るある情報筋によれば、この契約認定委員会が来週月曜日にも会合を開き、ピアストリの契約について確認を行うようだ。ただ最終的な決断がいつ下されるかは現時点では不明であり、非常に複雑な状況になっていることが伺える。
 この契約認定委員会は、複数の弁護士によって組織された完全に独立した組織であり、チームやドライバーの間で契約に関する論争が起きた場合、それが有効かどうかを評価することになる。今回の場合は、ピアストリとの有効な契約をアルピーヌが持っているのか、それともマクラーレンが手にしているのかを判断しなければならない。
 契約認定委員会が評価し、その結果をチームに通達すると、FIAはそのドライバーに対するスーパーライセンスを申請できるチームについての通知を受けることになる。
 契約認定委員会が設置される契機となったのは、ミハエル・シューマッハー……ミック・シューマッハーの父親である。
 シューマッハーは1991年のベルギーGPでジョーダンからF1デビュー。決勝はリタイアとなったものの、予選でいきなり7番手を手にするなど、センセーショナルな走りを見せた。この活躍によりすぐにベネトンがシューマッハーの獲得に動き、続くイタリアGPではそのベネトンのシートに収まることになった。
 ただこの時、ジョーダンとの契約解消について論争が発生。これがきっかけとなり、時間や費用のかかる民事裁判を回避するために、契約認定委員会が立ち上げられることになった。
 各チームは、F1の権利関係の協定である”コンコルド協定”に署名しており、その一環として契約認定委員会の決定に従うことにも同意している。
 来季アルピーヌでレースを戦うことを拒否したピアストリは、今も同チームのリザーブドライバーを引き続き務めていて、ベルギーGPの週末にはチームのファクトリーでシミュレータ・ドライバーを務め、チームの走行をサポートすることになると考えられている。
 
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