ルクレールのレースを台無しに……捨てバイザーの落とし主はフェルスタッペン。映像証拠で確定

 

 フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1ベルギーGPを15番グリッドからスタートし、6位でフィニッシュしたが、レース序盤に右フロントブレーキダクトに捨てバイザーが詰まったことで、難しいレースとなってしまった。
 ルクレールは3周目に右フロントのブレーキダクトから煙が出ているのを見て、ピットインを余儀なくされた。セーフティカー走行中だったため大きなタイムロスにはならなかったが、レース序盤にポジションを上げるという望みが絶たれてしまった。
 このピットストップでタイヤを交換したフェラーリは、バイザーの汚れを防ぐフィルム状の捨てバイザー(ティアオフとも呼ばれる)がブレーキダクトに引っかかったことが原因であることを突き止めた。
 これがブレーキディスクの冷却を妨げ、ひどいオーバーヒートを引き起こしていたのだ。これが原因でリタイアを余儀なくされるケースもあるため、リタイアを免れたという点ではルクレールは幸運だったかのかもしれない。
 そしてフェラーリはオープニングラップのオンボード映像を確認し、この捨てバイザーが”誰のモノ”だったのかを突き止めたという。
 オープニングラップでは、ターン5で2番手を争っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)とフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が接触。ハミルトンのマシンはダメージを受け、冷却水やオイルを撒き散らしてしまった。それを浴びた後続のドライバーはポール・フレールからブランシモンまでの高速区間で、捨てバイザーを剥がさざるを得なかったのだ。
 ルクレールのすぐ前を走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)もそのひとりだった。
 フェルスタッペンはレース後、「すごく慌ただしかったし、汚れもひどかった」とオープニングラップを振り返った。
「僕は自分のティアオフ(捨てバイザー)を剥がした。その前のセクターではほとんど何も見えなかったんだ。みんながグラベルや砂利の上を走っていた。僕たちはダメージなく生き残ったんだ」
 そしてルクレールのマシンが、フェルスタッペンの捨てバイザーをブレーキダクトに吸い込んでしまったシーンがオンボード映像に写っていたのだ。
 レース後、ルクレールのクルマに詰まったのが自分の捨てバイザーだった可能性について質問されたフェルスタッペンは、次のように答えている。
「僕のモノじゃないことを願うよ。でもたくさんあったし……正直言ってみんな捨てていたから、そんなことが起きるなんて正直に言ってとてもアンラッキーだ」
「特に集団の中にいるときは、それが起きることを常に恐れているんだ。特にこういうコースでは、序盤にすぐ剥がすことが多いからね。こういうことが起きるのは最悪だけど、残念ながら起きてしまうことなんだ」
 ルクレールにとって、捨てバイザーの影響は緊急ピットインだけではなかった。オーバーヒートによってセンサーがダメになってしまい、レース終盤にファステストラップを狙ってピットインした際、ピットレーン速度違反でペナルティを受ける原因になってしまったのだ。
 ルクレールのレースプランを狂わせた捨てバイザーが、タイトルを争うフェルスタッペンのモノだったのはもちろん偶然に過ぎないのだが、ふたりの明暗がくっきり分かれた週末となってしまった。
 
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