レッドブル代表、2台で戦略を分けたメルセデスに驚き「ラッセルを“壁”にしないとは……」

 

 F1オランダGPは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の勝利で幕を下ろした。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、ライバルであるメルセデスのピット戦略に驚いたと語った。
 フェルスタッペンはレースの大半をリードしており、終盤でもトップを走っていた。そんな中、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が1コーナー手前でストップしたことによりセーフティカーが出動。ここでフェルスタッペンはトラックポジションを失うこと承知でピットインし、ソフトタイヤへと交換した。
 一方のメルセデスは一旦2台ともステイアウトを選択し、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルによるワンツーを形成。ただ1周後にはラッセルがピットインしたため、トップは中古のミディアムタイヤを履くハミルトンで、2番手、3番手にはフレッシュなタイヤを履くフェルスタッペンとラッセルが続くという形でレース再開を迎えた。
 レース再開後、ユーズドタイヤのハミルトンは苦しむこととなった。リスタートであっさりフェルスタッペンの先行を許すと、ラッセル、そしてシャルル・ルクレール(フェラーリ)にも交わされて4位に終わった。
 ホーナーは、母国レースであるフェルスタッペンをピットに呼び込んで首位の座を明け渡すのは難しい判断だったと語り、その後ラッセルがハミルトンの“壁役”にならずにピットに入ったことには驚いたという。
「我々は母国レースのドライバー、ましてや10万人の観衆の前でレースをリードしているドライバーをピットに入れることを決断し、ソフトタイヤを履かせた。そしてメルセデス2台の後ろにつくこととなった」
 ホーナーはそう振り返る。
「彼らがジョージをルイスの後衛につかせたままにしなかったことには驚いた。彼がピットインしたことで、マックスとルイスはタイヤの差がある状態で真っ向勝負することになった」
「彼らが(レース再開時)ピットウォールを通り過ぎた時、既にマックスは(ハミルトンに)並びかけていて、前に立ってからはレースをコントロールしていった」
 レッドブルにとっては首位を走るフェルスタッペンをハードタイヤでステイアウトさせるという選択肢もあったと言えるが、ホーナーとしてはフェルスタッペンが無防備になることを懸念していたようで、「先頭で耐えるよりも攻撃に出ることを好んだ」という。
「私が一番心配していたのは、2対1になってしまうことだった」とホーナーは言う。
「しかしジョージが自らピットに向かっていったことで、マックスとルイスが1対1で勝負できるようになった」
 また当のフェルスタッペンも、あのままステイアウトしてハードタイヤで走り続けることはあり得なかったと考えている。ただレッドブルに対してピットインを要求するようなことはなく、ピットウォールが正しい判断を下すことを信じていたと語った。
「僕はリクエストしていない。チームが正しい判断をしてくれることを信じなければいけない」とフェルスタッペンは語る。
「彼らは僕をピットに入れて、ソフトタイヤを履かせた。そこでポジションをふたつ落としたけど、ジョージが(ピットに)入ったので2番手になった」
「驚くことに本当に良いリスタートを切ることができたので、メルセデスよりも速いトップスピードでターン1に進入することができたんだ」
 
 
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