クアルタラロ、大苦戦ノーポイントでバニャイヤ急接近! 優勝はオリベイラ|MotoGPタイGP決勝

 

 MotoGP第17戦タイGPがチャーン・インターナショナル・サーキットで行なわれた。3年ぶり開催のタイGPを制したのは、KTMのミゲル・オリベイラだった。
 タイGPの予選ではルーキーのマルコ・ベッツェッキ(VR46)が初のポールポジションを獲得。2番手にはホルヘ・マルティン(プラマック)、3番手にはフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とドゥカティ陣営がフロントロウを占めた。
 そして、タイGPは3日目のウォームアップまで全てドライコンディションで行なわれてきたが、Moto2クラスの決勝前から東南アジアらしいスコールに見舞われてしまい、Moto2クラスはレースがハーフポイントで成立となった。
 その後も雨は降り続いており路面コンディションは水たまりもあるなど厳しい状態のまま。MotoGPクラスも決勝レースはスタートディレイとなった。
 最終的に雨が降り止むのを待ち、当初予定のスタート時刻よりも約1時間遅れて決勝レースが行なわれることになった。
 なおピットレーンオープン中に各ライダーは今週末初となるウエットコンディションのコースを周回し、コースコンディションへの適応を進めた。またレースはマシン乗り換えが許可された状態でのスタートだった。
 そして大量の水しぶきをあげながら全25周の決勝レースがスタート。PPのベッツェッキはいいスタートを切ったものの、マルティンとの鍔迫り合いの結果ターン1をオーバーラン。ただ、それでも彼は先頭でコースに戻っていた。
 ベッツェッキが先行し、バニャイヤ、ジャック・ミラー(ドゥカティ)がそこに続く。一方で4番手スタートのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は、ターン4でコースをはみ出てしまうなど上手く行かず、ポイント圏外にまでポジションを落としてしまった。
 ただベッツェッキは1周目のコース外走行の結果、”1ポジションダウン”のペナルティが決定。3周目にようやく後ろを確認してペースを落とし、2番手に浮上したミラーを先行させてペナルティを消化した。
 4周目、5番手を走行していたルカ・マリーニ(VR46)が転倒。ポジションを上げつつあったが、ここで戦列を離れた。
 先頭に浮上したミラーはファステストラップを刻む速さでベッツェッキら2番手集団を突き放す。5周を終えてその差は1秒だ。
 2番手集団内ではミゲル・オリベイラ(KTM)が非常にペースが良く、ベッツェッキとバニャイヤを楽々とオーバーテイク。逃げつつあったミラーとの差も縮めていった。
 8周目にはオリベイラがミラーを捉えて仕掛けていくが、ミラーも抜き返してトップを譲らない。この2人はそのままランデブー状態での走りが続いた。
 レース折り返しを過ぎた14周目、オリベイラが再びミラーをオーバーテイク。今度はミラーの反撃も抑えて先頭の座を固めて、ギャップを広げることができた。
 18周目頃には3番手を走るバニャイヤに対し、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が大きく接近。20周目の最終コーナーで追い抜きを狙ったマルケスだったが、ここはクロスラインで抜き返されてしまう。さらにバトルをしているうちに、ヨハン・ザルコ(プラマック)が3番手争いに加わってきた。
 ザルコは残り5周でマルケスをオーバーテイク。そのままザルコはバニャイヤにも迫ってチャンスを伺うが、なかなか追い抜きまでは至らない。テールトゥノーズ状態でラップを消化し、レースは最終ラップを迎えた。
 先頭を走るオリベイラはミラーに対して約0.7秒ほどの差を持ってラストラップに突入。最後はミラーもプッシュしたものの、それを突き放してトップチェッカー。インドネシアGP以来の、今シーズン2勝目を挙げた。2位はミラーだ。
 3位争いは最後まで続いたが、ザルコが小さなミスをしてギャップを詰めきれなかったこともあり、バニャイヤが余裕を持って3位フィニッシュを果たした。
 そしてポイントリーダーのクアルタラロは、このレースを通じて全くペースが上がらずポイント圏外の17位でフィニッシュ。終盤戦でまさかのノーポイントレースとなってしまった結果、ランキング2番手バニャイヤとのポイント差は“2”まで縮まった。レース後、クアルタラロは一目散にピット裏に引っ込むなど、本人としてもなかなか受け入れがたい結果だったことは想像に難くない。
 ランキング3番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は1周目にブラッド・ビンダー(KTM)と接触があり、これが審議対象になった。その結果、エスパルガロはロングラップペナルティを科され10番手から14番手にポジションをダウン。最終的に11位でフィニッシュし、クアルタラロとは20ポイント差となった。
 怪我で欠場している中上貴晶(LCRホンダ)の代役として出場した長島哲太は、MotoGPクラスで初のウエットレースを22位で完走。日本GP転倒リタイアのリベンジになったと言えそうだ。
 また同じく代役参戦のダニーロ・ペトルッチ(スズキ)は、20位でフィニッシュしている。
 
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