レッドブル代表、”シーズンを支配”したフェルスタッペンをべた褒め「別の惑星にいるようだった」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1第18戦日本GPを圧勝し、4レースを残して2022年のワールドチャンピオンに輝いた。
レース距離が短くなったにもかかわらず、フルポイントが与えられることについて混乱こそあったものの、後続に大差をつける圧勝。昨シーズンのアブダビGPのように、論争を呼ぶような形ではなく、今季の強さを象徴するような勝ち方だった。
motorsport.comの取材に対しレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、「4レースを残してそれを成し遂げるなんて、本当に驚くべきパフォーマンスだ」とフェルスタッペンのパフォーマンスについて語った。
「私はマックスが今年、”別の惑星”にいたように感じる。彼は成熟し、信念を持ったドライビングでチャンピオンシップを支配してきた」
「そしてもちろん、激戦だった昨年の最終戦アブダビGPよりも、はるかに論争の余地が少ないと思っている。そして、我々にとってコンストラクターズタイトルが最も重要となる」
「8年間、メルセデス以外のどのチームも、コンストラクターズチャンピオンに近づいていない。今年はそのタイトルも、持ち帰ることができることを願っている」
昨年はメルセデスのルイス・ハミルトンを破り、フェルスタッペンがドライバーズチャンピオンに輝いたが、コンストラクターズチャンピオンはメルセデスが獲得。レッドブルは今季、2013年以来となるタイトル獲得に向けて、ランキング2番手のフェラーリに165ポイント差をつけている。ただ次戦アメリカGPでフェラーリ勢が悪夢のような週末を過ごさない限り、決着はもう少し先になるだろう。
ホーナーは、昨年とは状況が異なるものの、チャンピオンシップを勝ったということは変わりないと付け加えた。
「今回は、アブダビのときよりも”血圧”が下がっていると思う。でも、同じように意味がある」
「昨年ワールドチャンピオンになり、ナンバーワンを背負ったマックスは、今年も信念を持ってドライブし、圧倒的な強さでタイトルを防衛した。彼が今年、新たなレベルに到達するのを見るのは楽しいことだ」
ホーナーは、1回目のタイトルを獲得した後はプレッシャーが少なくなり、さらなるステップアップが可能になることが多いという意見に同意した。
「昨年は2人の巨人のヘビー級の戦いだったと思う」と彼は言う。
「セバスチャン(ベッテル/レッドブルでタイトル4連覇)と同じことが、マックスにも起こったと思う。ワールドチャンピオンになったことで期待というプレッシャーから解放され、今年まさに道を突き進んでいるんだ」
「彼は人生の絶頂期を迎えており、信じられないほどの走りを見せている。チームは非常に高いレベルで機能しており、組織全体が持つ強さと奥行きは計り知れないものがある」
「我々は彼をとても誇りに思っているし、もちろん、この瞬間を楽しむつもりだ。でも、すぐにコンストラクターズの方に目を向ける。そしてチェコ(ペレス)がランキング2位を確保することに集中する」
結果から見れば、日本GPはフェルスタッペンの圧勝だったが、最大の危機はスタート直後に訪れた。スタートで出遅れたフェルスタッペンは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に並ばれてしまったのだ。
しかしフェルスタッペンは気迫の走りでアウト側からルクレールを抑え込むと、トップでS字コーナーを駆け上がった。フェラーリは今回タイヤのデグラデーションに苦しんだが、その分スティント序盤は速さがあった。ウエットコンディションだったことも加味すれば、ここで首位を譲らなかったことは小さくない意味を持つだろう。
「スタートは最悪で、彼はかなりホイールスピンをしてしまった」とホーナーは振り返った。
「でも、彼はアウトから昔のカートのようなラインを描いた。そして彼は全力を尽くした」
「レース中断中に彼と話したら、『僕はそれを狙っていたんだ』と言っていた。シャルルは彼に十分なスペースを与え、彼はその通りに動いた。最初のコーナーふたつで素晴らしいレースが行なわれた」
フェルスタッペンは実に簡単にリードを広げていったように見えたが、フェルスタッペンやチームにとって、この日のレースは一筋縄ではいかなかったようだ。
「すごくたくさんのことが起きているんだ」とホーナーは語った。
「路面が乾いていったんだ。この(インターミディエイト)タイヤは、エネルギー(負荷)を好まないんだ。特に第1セクターではタイヤに大きなダメージを与えてしまう。でもマックスはスリップをコントロールし、温度をコントロールし、タイヤをケアして、最終的に多くのアドバンテージを手に入れたんだ」
「(フェルスタッペンの戴冠には)1ポイント足りないと思っていた。だからピットインしてファステストラップを狙うことも考えたが、チェコがシャルルをパスするかどうかはわからなかった」
「だが今年のマックスは傑出している。シーズン序盤の難しいレースの後、チームの立ち直り方、彼の走り方で、彼はこのチャンピオンシップを支配している。そして、今回もまた、完全に支配的なドライブだった」
「彼は何をしたんだ? 20数周でシャルルに25秒差をつけるなんて、すごいパフォーマンスだった。そしてチェコも2位でフィニッシュした」
「彼は素晴らしかったし、彼のチャンピオンシップにとってもコンストラクターズ争いにとっても良かった。大量ポイントだった。この結果にとても満足している。マックスは本当にチャンピオンにふさわしいと思う」
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