マクラーレン、アメリカGPで“リサイクル”カーボン素材をマシンに採用。F1における先駆者が持続可能な開発に向け新たな一歩

 

 アメリカ・オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されるF1アメリカGPで、マクラーレン・レーシングはMCL60にリサイクルされたカーボンファイバーを使用したパーツを試験投入すると発表した。 マクラーレンがこの試験投入に向けてパートナーを組むのはVカーボン社。リサイクル・カーボンファイバー分野における専門企業だ。 リサイクル済みのカーボンファイバー素材はまず、マシンのコックピットブランディングパネルに採用される。 マクラーレンはオースティンでの試験が成功すれば、残りのシーズンでもこの素材を採用し、来年以降のマシンでさらなる採用を検討するとしている。 カーボンファイバーは、その優れた強度と重量から何十年もの間、F1マシンのデザインにおいて不可欠な素材となった。 この技術にF1で先鞭をつけたのもマクラーレン。1981年にジョン・バーナードが設計したMP4/1は、フルカーボンコンポジットのモノコックを採用した最初のF1マシンとなり、現在カーボンファイバー強化ポリマーはF1だけでなくボーイングやエアバスの最新旅客機の設計にも採用されるなど世界的な需要の高まりを見せている。 しかし今後10年のうちにその需要は倍増すると予想されており、製造過程で30%が廃棄されるという調査結果もあるため、環境への配慮が求められている。 マクラーレンはリサイクル・カーボンファイバーの可能性を模索することで「2030年までに完全循環型のF1マシンを開発する」ための第一歩を踏み出したいとしている。 …読み続ける

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