エスパルガロ、電子制御のトラブルでチャンス活かせず。アプリリアは「タイトルを争うレベルにない」

 

 アプリリアのアレイシ・エスパルガロは、オーストラリアGPを9位で終えたことにフラストレーションを感じていると語った。
 今回のレースは、ポイントリーダーのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がリタイア。ランキング3番手につけるエスパルガロにとっては、一気にポイント差を縮めるチャンスだったが、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が3位に入りポイントリーダーに浮上した一方で、エスパルガロは9位に終わった。
 チームメイトのマーベリック・ビニャーレスも17位と苦しんだアプリリア勢。どうやら、電子制御の面で問題を抱えていたようだ。
「スタートはうまくいって上位陣と一緒に走れたが、タイヤが摩耗し始めると、バイクは加速せず、前に進まなくなり、僕とマーベリックのふたりは後ろに下がってしまった」
「僕は手を尽くした。スピードもあったし、速く走れた。でもトラクション・コントロールがどんどんダメになっていって、マシンがまったく加速しなくなったんだ」
「理解できないよ、まただ。とても悔しい。チャンピオンシップが手からこぼれ落ちているような気がしてならない。多くのミスを犯し、目の前にペッコ(バニャイヤの愛称)のようなレベルの高いライダーや、ドゥカティのようなバイクがいるときには、すべてが水の泡になってしまう」
 シーズンを通してタイトル争いを繰り広げているエスパルガロだが、アプリリアはドゥカティのレベルには全く近づけていないと話す。
 実際、オーストラリアGPではドゥカティ8台のうち、6台がトップ10に食い込んでおり、エスパルガロはこの状況にフラストレーションが溜まると明かすと共に、ドゥカティのバイクは「乗る者すべてが強くなれる」ほど優れていると評した。
「少し前、つまり3~4ヵ月前には、誰もがアプリリアは”新しいフェラーリ”だと言っていたのに、おかしいよね」
「僕はこのマシンが良いものだと知っているし、僕らがマシンを大きく改善したことも知っている。でも、グリッドのベストマシンのレベルにはまったく達していないんだ」
「こんなこと(タイトル争い)は初めてだが、多くのミスを犯したそのツケが回ってきたのだろう」
「でも、今回のドゥカティの結果は、とんでもない。誰が乗ってもトップ6に入れる。とても悔しいよ」
 エスパルガロは、バニャイヤから27ポイント差。残り2戦で最大50ポイント獲得できることから、数字上はまだ逆転チャンピオン獲得の可能性がある。だがエスパルガロは、チームとしてアプリリアがまとまることができていないと認めている。
 チャンピオンシップにおける展望を訊かれ、「より難しくなった」とエスパルガロは答えた。
「この3戦で、僕たちはチームとしてまとまっていないことが証明されたと思っている」
「僕たちはタイトルを争えるレベルにない。僕たちはたくさんのポイントを取り逃してしまった。直近3レースで8点か10点しか(正確には12点)獲れなかったんだから」
「タイトルを争うなら、そんなのは馬鹿げている。それが問題なんだ」
「まだ可能性はあるし、僕は自分のチャンピオンシップを本当に誇りに思っている。残り2レースのところでタイトル争いに残っているんだからね。でもペッコとドゥカティが好調で、僕に対して1レース分のアドバンテージがあるから、とても厄介なことになりそうだ」
 
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