プライドをかけてF1参戦を目指すポルシェ、ウイリアムズとの交渉を加速。アウディは26日にF1に関し新たな発表へ
ポルシェは2026年からパワーユニットマニュファクチャラーとしてF1に参戦するために、F1チームとの契約をまとめることに全力を傾けている。最近の情報では、ウイリアムズとの交渉が進んでいるようだ。一方、同じフォルクスワーゲングループのアウディは、10月26日にF1プロジェクトについて続報を発表することを明らかにした。
2026年からF1に参戦することを決めたポルシェは、新世代パワーユニットのハイブリッド部分の設計・開発をスタート、ICEについてはレッドブル・パワートレインズに任せるというプランで、レッドブル・レーシングとの契約交渉を進めた。
しかしレッドブルF1チーム代表クリスチャン・ホーナーとモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコが、独立性を保つためにポルシェと契約しないようチームオーナーに強く働きかけたことで、交渉は決裂。これによってポルシェは、新たなパートナーを探すとともに、V6設計・開発の新たなプロジェクトを立ち上げなければならなくなった。
商業面において、ポルシェが求めている相手は、株式の半分を売却し、F1事業の支配権の一部を渡すことに同意するチームだ。一番好ましいのはマクラーレンだが、マクラーレンについては、アウディがすでに交渉した結果、合意に至らなかった経緯がある。マクラーレンのオーナーは、マクラーレン・グループの過半数株式を売却する意志はあるが、F1チームのみを渡す気はなく、アウディ同様、ポルシェはその条件を受け入れることはできないだろう。
そうなると候補はウイリアムズに絞られる。この数週間、ポルシェとウイリアムズの交渉は一気に加速しているといわれる。ウイリアムズのチーム代表ヨースト・カピートは、かつてフォルクスワーゲンのモータースポーツ部門のディレクターを務めていた。とはいえ、オーナーのドリルトン・キャピタルに、F1のプライズマネーが高騰しつつある今、株式半分を売却してチームが生み出す年間収入を半分手放すよう説得するのは、容易なことではないだろう。
技術面においては、ポルシェはICEを設計・開発する手段を見つける必要がある。これについては、2026年にパワーユニットサプライヤーとしてF1に参戦する予定のアウディから現在開発中のエンジンの情報をある程度得たうえで、その後はそれぞれ独立したプロジェクトとして開発を進めていくという可能性も考えられる。
ポルシェとしては、レッドブルとの契約はすでにまとまったものだと考えていたにもかかわらず突然断られてしまったとの思いがある。これによって、レッドブルとのパートナーシップを前提に予測していた投資レベルをはるかに上回る資金を用意しなければならなくなったのだが、ポルシェ上層部は、F1への参戦をいまやプライドの問題ととらえている。
一方、アウディは8月26日に記者会見を行い、2026年からF1にパワーユニットサプライヤーとして参戦することを正式に発表した。その発表以前に、アウディはアルファロメオF1チームを運営するザウバー・モータースポーツの過半数株式を取得することで合意したと伝えられていたが、8月の発表ではそれについては触れられず、2026年にどのチームと提携するかについては、今年中に発表すると述べていた。
アウディは、SNSを通して10月26日にF1に関して何らかの発表を行うと示唆している。F1のハッシュタグを添えて「未来が形になってきた」という投稿を行い、詳しいことは26日10:00 CEST(日本時間17時)に明らかにすると述べている。
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