アルピーヌ、パワーユニットは性能上昇も信頼性トラブル頻発……しかし「戦略的に正しい判断」とチーム代表

 

 ルノー製パワーユニット(PU)を使用するアルピーヌは、現行PUレギュレーション下での性能開発が凍結される2022年に向けて、大きくパワー面での向上を果たした。これによりこれまで後塵を拝してきたライバルPUマニュファクチャラーとの差を詰めたものの、同時に信頼のトラブルが頻発している。
 しかしチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーは、PUに関する決断は正しいモノだったと考えているようだ。
 今季アルピーヌはマクラーレンとコンストラクターズランキング4位争いを展開。マシンの性能面ではマクラーレン勢を上回るシーンも多いものの、信頼性トラブルによるリタイアによって貴重なポイントを失ってきた。その結果、ランキング4番手にはつけているものの、マクラーレンがわずか7ポイント差で迫っている。
 直近のメキシコシティGPでは、シリンダートラブルに見舞われていたアルピーヌのフェルナンド・アロンソがレース終盤にリタイア。7位入賞の機会を失った。
 サフナウアーは、PUに頻発する信頼性トラブルはパワー面での性能を追求した代償であり、2023年に向けてオフシーズン中には解消できると語っている。
「今年の初めに打ち出していた方針だということを忘れてもらっては困る。私が合流する前からのモノだが、PU、そしてパフォーマンス面では正しい判断だと思う」
「というのも、PU(の開発)が凍結されることになっていたからだ。だから性能の限界に挑み、信頼性の問題が出たら、それを解決することを意図的に決定したのだ。FIAはそれ(信頼性改善のPU開発)を認めているからね。これは意図的かつ戦略的な決定だった」
「今そうした問題に直面しても、解決することはできる。信頼性を高めるためにわざとそしている訳ではない。ただ、もしそうした決断に迫られた場合、性能の限界を超えることになるということだ。2026年まで性能を上げることはできないが、信頼性の問題を解決することはできるからね」
「冬の間には解決できる。だから戦略的には、正しいことだったと思う。そしてまだ2レース残っているから、ランキング4位でフィニッシュできる。我々はやり遂げられると思う」

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