岸田総理大臣のF1日本GP来訪実現。背景には開催に向けた関係省庁への説明が……”脱マイナースポーツ化”の追い風に?
3年ぶりの開催となったF1日本GP。様々なトピックが飛び交う中で、岸田文雄首相がF1を訪れたことも大きな話題を呼んだ。その経緯についてグランプリを主催したホンダモビリティランドは、2022年のF1開催に向けて政府側にアピールをしてきた結果だと明かした。
岸田首相は決勝日の10月9日(日)にF1日本GPの舞台となった鈴鹿サーキットを訪れ、表彰台で挨拶を行なった後、決勝レース前に行なわれたスタートセレモニーにも参加。元F1ドライバーであり現在は衆議院議員を務める山本左近の説明を受けつつ、F1の現場を視察した。
日本の総理大臣が公式にF1を訪れたのは今回が初。全モータースポーツのレースを振り返っても、これまで一度の事例もなかった。ホンダモビリティランドの田中薫社長は、日本におけるモータースポーツの文化的・社会的地位向上に大きく寄与する出来事になったと考えている。
「お越し頂けて非常に良かったと思います」
そう田中社長は来訪を振り返る。
「国の代表という形で、総理大臣がモータースポーツの舞台に来場されたというのは初めてのことなんです。日本のプレゼンス、モータースポーツの社会的な地位を向上させていくという観点では、非常に大きな一歩だと思います」
「野球や相撲などといったスポーツには行かれていますが、他のレースも含めモータースポーツではありませんでした。ヨーロッパでは王室とか国家元首とか、大統領がレースに顔出すというのは割と普通ですが、日本は今回が初めて。モータースポーツの地位向上という観点では、日本にとって大きな一歩だったと思います」
「モナコはある意味、王室や貴族の文化からできたモノそのものなのでしょうが、『オリンピック、ワールドカップ、F1』というのは、3点セットで国を挙げての大事なイベントだと思います。日本でもモータースポーツが文化として根付いていく必要がありますし、これを契機にだんだんと日本でも変わっていくのではないかと思います」
「文化度が上がるという観点では、すごく良い追い風になったなと思いますね」
そして岸田首相がF1日本GPを訪れた経緯について、次のように田中社長は説明する。
「今年はやはり3年ぶりの開催をどうしても実現したいということで、関係省庁を始め本当に色々とご協力頂けました」
「私たちがずっとアピールしてきたのは、日本のプレゼンス、そして国際親善と自動車産業の啓蒙です。自動車産業は日本の基幹産業ですから、最高のテクノロジーのF1で、日本の自動車産業の地位を上げていくということです」
「そしてF1の経済効果は絶大です。やはりこれだけのお客様がやって来られて、3000人近くの関係者が入国してきます。そうしたところからの公共性や公益性というのは、十分に持っているスポーツイベントですから、こうした点をに一生懸命ご説明して、入国関連など色々な形で本当にご協力頂きました。そうしたところから、最終的には総理がご視察に来てくれたというところだと思います」
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