世界にひとつだけの”走る宝石”。アルファロメオ、『ジュリアSWBザガート』公開。そのオーナーは複数のザガート所有

 

 イタリアの名門ブランドであるアルファロメオと同じくイタリアの名門カロッツェリアであるザガートは、ビスポークモデル『ジュリアSWBザガート』を公開した。
 その名が示唆する通り、このクルマは文字通り”唯一無二”。スポーツセダンとして誕生したアルファロメオ『ジュリア』のホイールベースを短縮し、後部座席のない流麗な2ドアクーペとして生まれ変わった。
 ジュリアSWBのフロントデザインは、『75』をベースにアルファロメオとザガート、フィアットが手を組み製作した『SZ』からインスピレーションを受けつつ、2023年にフェイスリフトを受けたジュリアの最新デザインである3点LEDヘッドライトを採用。新旧織り交ぜたデザインになっている。
 リヤセクションは、1963年のアルファロメオ『TZ』を踏襲した”コーダ・トロンカ”デザインで、現行ジュリアの高出力&軽量モデルである”グランツーリスモ・アレゲリータ・モディフィカーナ(GTAm)”にあった巨大リヤウイングは取り外され、スッキリとしたエクステリアに仕上がっている。

 ディフューザーには、2本のエキゾーストチップの脇にバーティカルフィンが2本設けられ、GTAm的テイストを残している。
 またザガートらしく、ジュリアSWBはダブルバブルルーフとエアダクト付きボンネットを採用。従来のハンドルを取り外すことで美しいくびれを持つサイドプロフィールを実現。ドアを開けるため、Bピラーに開閉ボタンが設けられている。
 その原型を留めていないことからも分かる通り、ほぼ全てのボディパネルが再設計を受けている。そして軽量化のため、ほぼ全てがカーボンファイバー製となっている。
 そんなジュリアSWBに搭載されるパワートレインは、GTAm仕様のスパイシーな2.9リッターV型6気筒ツインターボエンジン。最高出力は398kW(533PS)で最大トルクは600Nmを発生させる。
 オリジナルのGTAmには8速オートマチックのみが設定されていたが、そこにザガートが手を加え、ジュリアSWBではクアドフォリオの6速マニュアルトランスミッションを搭載している。

 ザガートがアルファロメオとのコラボレーション100周年を祝いたいという想いから実現したこのジュリアSWB。1921年の『ティーポG1』から1世紀……2021年にこのプロジェクトに”グリーンライト”が灯ることとなった。
 そんなイタリア・ミラノのデザインハウスに、特別なクルマに目がないドイツ人のある顧客から声がかかったのだ。彼はSZや『8Cコンペティツィオーネ』だけでなく、複数のアストンマーチンのザガートモデルやアルファロメオの最新車を所有している人物だ。ジュリアSWBはアルファロメオ縁の地にあるラ・ピスタ・サーキットでの撮影を経て、正式にオーナーへ引き渡される予定となっている。
 ジュリアSWBの価格の詳細は明らかにされていないが、本国イタリアでジュリアGTAmが20万ドル(約2,600万円)近い価格で販売されていることを考えると、相当な額になったに違いない。
 
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