アウディ、ダカール制覇は絶望的か。大ダメージのサインツ車は「修復して、ステージ優勝を狙う」

 

 ダカールラリー2023のステージ6は、アウディにとって悪夢のような1日となった。総合2番手につけていたステファン・ペテランセル、総合4番手のカルロス・サインツSr.共にトラブルに見舞われたからだ。
 総合首位に立つトヨタのナッサー・アル-アティヤとの差を縮めるべく攻めた2台だが、212km地点で2台共にマシンを止めることになってしまった。ペテランセルのクルマがジャンプした際、着地の衝撃が大きく、コ・ドライバーを務めるエドゥアール・ブーランジェが背中を負傷。空輸による治療が必要となり、ラリーをリタイアせざるを得なかった。
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 一方のサインツSr.は、左フロントサスペンションがもげてしまうトラブルでマシンが大ダメージ。支援トラックの到着を待つことになり、ステージ6を走り切ることができなかった。
 この結果、総合トップ10に残っているアウディ勢は5番手のマティアス・エクストロームのみ。首位のアル-アティヤからは1時間46分離されている。
 アウディ・モータースポーツのロルフ・ミヒルCEOは、2輪と4輪で合計14回ダカールを制した”ムッシュ・ダカール”ペテランセルのリタイアを残念に思いながらも、サインツSr.のマシンを修理して、ステージ1以来となるステージ優勝を目指すとコメントした。
「チーム一同、エドゥアール(ブーランジェ)の早い回復を願っている」とミヒルは語った。
 ブーランジェは、搬送されたサウジアラビアの病院から、ドイツに移されて専門治療を受ける予定となっているものの、アウディは「後遺症はないだろう」と安堵している。
 またサインツSr.の車両は、サスペンションに大きなダメージを受けているものの、修復して戦線に復帰することは可能だとチームは予想している。
 しかしすぐに車両全体を修理するのは難しく、車両下回りをチェックするために専門家の助けを借りる必要があるようだ。
「1年前のダカールラリーでは、最初の1週間は大変だった」とミヒルは語った。
「だがまだ、マティアス・エクストロムとエミール・ベルクビストが最後まで表彰台を狙える可能性がある。そして、カルロスとルーカス(クルス/コ・ドライバー)が修理後に走行を続行できれば、いつでもステージ優勝を狙える」
 
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