F1ドライバーのメッセージ発信を禁じたFIAの意図は”他所でやれ?” 会長は「プラットフォームは他にもある」と言及

 

 FIAは2022年12月に国際競技規則を更新。2023年からFIAが統括するすべての公認モータースポーツ競技において、事前の許可なく政治的、宗教的、個人的なメッセージを発信することを違反とした。
 会長のモハメド・ベン・スレイエムは、こうした決定についてFIAを個人的な意図のためのプラットフォームとされることを望んでいないのだと語っている。
 近年、F1においてはルイス・ハミルトン(メルセデス)やセバスチャン・ベッテルが中心となり、人権や環境保護、性的少数者の権利といった世界的な問題となっているトピックスについての発信姿勢を強めてきた。ドライバーによる抗議の意思を込めたTシャツの着用などは、その一例だ。
 F1としても近年は多様性の向上などに力を入れてきたこともあり、今回の競技規則の改定には、それらの取り組みが頓挫する危険性が生じていると見る向きもあり、懸念も広がった。
 競技者に対する政治的社会的な意見表明の制限という点では、FIFA(国際サッカー連盟)の動きに続くものだ。カタールワールドカップでは選手による人権問題などへのアピールを規制し、それに対する反発も広がっていた。そのため、今回の競技規則改定はFIFAによる事例と比較されることにもなった。
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 議論を呼んでいる競技規則の改定だが、FIA会長のベン・スレイエムはこの変更が「世界モータースポーツ評議会の協議と承認を経て行なわれた」と述べ、さらにFIA管轄のシリーズを個人的な意図を広めるためのプラットフォームに利用されることを望んでいないのだと語った。
「私はスポーツのことを非常に信頼している」
 motorsport.comを含む一部メディアに対し、ベン・スレイエム会長はそう語った。
「我々は架け橋をかけることに関心を持っているし、平和のためにスポーツを利用することができる」
「しかし、我々が望んでいないことのひとつが、FIAを私的で個人的なアジェンダのためのプラットフォームとすることだ。スポーツから逸れていってしまう」
「ドライバーは何が最も得意なのか? それはドライビングだ。彼らはそれが得意で、ビジネスにし、ショーを作り上げてスターになっている。誰も彼らを止めることはできない」
「彼らが自分たちの望むモノを表明するためのプラットフォームは、他にもある。誰もがそれを持っているし、表明のためにFIAのプロセスを通ることは大歓迎だ」
 ベン・スレイエム会長は「私達のスポーツをクリーンにしたいだけだ」と付け加え、そのために役立つだろうと語った。

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