ドメニカリCEO、F1参入を目指すアンドレッティのやり方に苦言。既存チームへの批判は「賢明ではなかった」
F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、11番目のチームとしてF1に参戦することを目指すアンドレッティ・グローバルのやり方について批判し、マイケル・アンドレッティが参入を有利にするつもりで行った発言は賢明ではなかったと述べた。他のチームを遠ざけかねず、結果として参入を成功させることが難しくなるという。
FIAは2025年、2026年、2027年にF1への参入を希望する新規チーム向けの新たな選定プロセスを立ち上げた。FIAのモハメド・ビン・スライエム会長は、アンドレッティなどの参入を歓迎する旨の発言を行った。
しかし既存チームの首脳陣はこれに対して極めて冷たい反応を示した。確かに新規参入チームは2億ドル(約263億円)を支払うことになっているが、アンドレッティの参入がどれほどの価値をF1にもたらすのか疑問であり、チームへの分配金も目減りしかねないと主張している。
そして今、ドメニカリもアンドレッティの振る舞いや動き方について苦言を呈するにいたった。しかし、応募自体に関してはあらゆる門戸が開かれているとした。
「純粋な手続き上の部分は、粛々と適切に進められるだろう」とドメニカリは述べた。
「必要なものがすべてそろっていれば、受付には何の問題もない。しかし選定にはさまざまな要因がからんでくる」
「誰かの圧力が強いからといって、過剰に反応するべきではない」とドメニカリは今週の『Sky Sports F1』で述べた。そして、「F1に価値をもたらしてくれるのであれば、誰でも大いに歓迎する」と語った。
「だが何らかの対策は必要だ。というのは、私が今日極めて重要だと考えているのは、F1の成長を維持することに加え、今とはまるで違った状況下でF1に投資してきたチームの持続可能性を確保することだからだ。純粋な商業的観点から行われる今日の投資は、ほんの数年前とはまったく違う価値を持つ」
「ある人の主張する声が大きい。他方ではそれほど声の大きくない人がいる。そうしたなかで正しい判断ができるのかという問題を、さらにそこに付け加えるのは得策ではない」
「我々はみなを尊重する必要がある。マリオとマイケル・アンドレッティのようにF1参入の意志を声高に主張しているチームもあるが、彼らが、既存チームは自らの利益を守ろうと貪欲になっていると言ってしまったのは賢明ではなかった。しかしそれは私の意見だ」
「それほど声が大きくはないが、ほかにもF1参入を希望しているチームはある。参入決定までのプロセスは尊重されるべきであり、FIAと連携して、手順が軽視されていないかしっかりと確認していきたい」
アンドレッティは昨年の始めより、F1グリッドに場所を得ようと積極的に活動してきた。マクラーレン、アストンマーティン、アルファロメオといった既存チームとパートナーを組んだり、買収したりすることを試みてきたが、いずれも失敗した。
FIAが新たな選定プロセスの立ち上げを決定したことを受けてアンドレッティは、F1参入の実現をより強固なものとするため、ゼネラルモーターズ傘下のキャデラックと提携契約を結んだことを発表した。すでにインディカー、フォーミュラE、エクストリームE、IMSAといったシリーズに参戦しているアンドレッティはF1参入への準備として、インディアナポリスに2億ドル(約263億円)をかけて新たな本部社屋を建設中だ。
なお選定プロセスを実施するのはFIAだが、選手権に新規チームが加わるにあたっては、F1と既存チームの同意を得ることが必要となる。
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