メルセデスF1とハミルトン、2024年以降に向けた契約交渉を開始。詳細な話し合いを急がず

 

 メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンとの2年契約の延長について、彼と最初の話し合いを行ったことを認めた。現在ハミルトンとメルセデスの契約は、2023年末で終了することになっている。

 ウォルフは先月、彼とハミルトンは将来の野望に向けて引き続き意を同じくしており、新たな契約は締結まで「数時間」しかかかからないだろうと述べていた。2月15日に行われたメルセデスの2023年型マシンの発表会で新車の『W14』がお披露目されたが、ウォルフはメディアに対し、まだ詳細な議論を急ぐつもりはないと語った。

「最初の話はしたが、期限は決めたくない。それは今の時点で彼にも我々にも重要なことではないからだ」とウォルフは語った。

「これから丸1年があり、どこかで適切な時間を見つけることになるだろう」

「過去にこうした契約を何度か交わしてきたが、繰り返すにあたってほとんど変更はなかった。明白な条件を除けば、通常は複雑ではない」

ルイス・ハミルトン&トト・ウォルフ代表(メルセデス)
2022年F1第22戦アブダビGP ルイス・ハミルトン&トト・ウォルフ代表(メルセデス)

 これまでの交渉は、チャンピオンシップに集中するために、シーズン末の、既存契約の終了の数週間前に行われてきた。しかしながら現在の契約はやや早い段階で締結されたため、2021年の最後までマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と熾烈な戦いをしていたハミルトンは、メディアからの契約に関する質問に気を散らされることはなかった。

「我々は常に、チームに対する彼の価値を反映する優れた解決策を見つけてきた」とウォルフは述べた。

「一方で、メルセデスはルイスがいたいと願う場所だと思う。こうしたことで論争になったことはない」

「実際にレースをする前、冬の間に物事を整理することは問題ではなかった。そうすることは常にはっきりしていたからだ」

「この旅を継続することになるだろう」とウォルフは主張し、今年のF1グリッドで2番目に年長となるハミルトンの38歳という年齢は、話し合いにおいて「何の意味もない」と否定した。

「世界のトップアスリートたちがどれだけうまく境界を広げたか見てほしい。私は(NFLのクォーターバックの)トム・ブレイディのことを考えている。彼は44歳か45歳だが、ピッチでボールを投げたり、タックルを受けたりしている」

 またウォルフは、2022年シーズンに突然メルセデスがパフォーマンス不振に陥ったからといって、ハミルトンが他チームの周りでより有利なオファーがないか探るようなことはしないと確信している。

「彼はチームにあるものをわかっている。我々は8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得した。知られていないことを話しているのではない。昨年我々は間違った方向へ行った」

「チームがパフォーマンスを発揮できるかということが、ルイスに影響を与えることはないと思う。リソースと能力はある。昨シーズンにやったように、成長を継続する必要があるだけだ」

メルセデスF1の2023年型マシン『W14』の発表会に参加したジョージ・ラッセル、トト・ウォルフ代表、ルイス・ハミルトン、ミック・シューマッハー
メルセデスF1の2023年型マシン『W14』の発表会に参加したジョージ・ラッセル、トト・ウォルフ代表、ルイス・ハミルトン、ミック・シューマッハー

 水曜日の発表会についての面白い話としては、ウォルフは、ハミルトンの新契約書へのサイン以外にもあるものが欲しいと明かした。

「ああ、素敵な靴だね」とハミルトンはウォルフの靴のチョイスにコメントしたところを、『Sky Sports F1』のカメラが捉えていたのだ。ウォルフは次のように答えた。「この靴が誰のものか知ってるかい?」

 ハミルトンが知らないと答えると、ウォルフは「写真撮影のための私の靴を彼らが忘れた。君の棚の下にあった靴を私は気に入ったんだよ!」と説明した。

 ハミルトンは「ローファーよりも格好いいよ!」と笑って収めようとしたが、通りがかったチームメイトのジョージ・ラッセルがからかった。「僕はローファーが好きだったんだ……」

 ウォルフが2023年にテスト兼リザーブドライバーとして加入したミック・シューマッハーについて話をするときには、より楽しいやり取りがあった。シューマッハーはハミルトンかラッセルが病気になった場合は、代役を務めることになる。

「彼らが魚を食べて食中毒にならないことを願っているが、いずれにせよミックはマシンに乗るのにふさわしい」とウォルフはコメントした。ビーガンのハミルトンは「僕は魚は食べないよ」と言い返したが、しかしながらハミルトンは、ウォルフの即答にふたたび反撃されてしまった。「アボカド中毒もあるだろう!」

 このように、彼らが行う契約交渉は、笑いに満ちた時間もあるはずだ。Netflixがすぐにでもコメディ番組の契約をすることを期待しよう。

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