2023年のプレシーズンテストは3日間のみ。メルセデスF1は「問題を見つけるには3日以上の走行が必要」と危惧
メルセデスは、現在のF1マシンの信頼性レベルを考慮すると、3日間のプレシーズンテストはチームが新デザインの潜在的な問題を特定するのに十分ではないと考えている。
新車のカバーを外したF1チームは、数日のうちにバーレーンへ移動し、多忙な2週間を前にサクヒールのガレージを整える。プレシーズンテストは2月23日にスタートし、その翌週の週末にはシーズン開幕戦が開催されるのだ。
準備は成功のもとと言われるが、メルセデスのテクニカルディレクターを務めるマイク・エリオットによると、バーレーンでマシン1台のみを3日間走らせるのは、新デザインの完全なテストと試走を行うには短すぎるという。
「今年はテストが3日間しかないが、それによってふたつの大きな影響がある」とエリオットは、2月15日にシルバーストンで行われたメルセデスW14の発表会で説明した。
「まずひとつ目は信頼性のことだ。テストで信頼性がなければ、学ぶための走行距離が非常に限られてしまうだろう。また、マシンの完全な信頼性を測定することがあまりできなくなってしまう。3日間では多くの走行を行うことはできないからだ。これらのマシンは現在では信頼性が非常に高いので、いくつかの問題をあぶり出すには3日間を超える走行量が必要だ」
「ふたつ目の大きな影響は、限られた時間をできるだけ効率的に使わなければならないということだ。できる限り多くのことを学ばなければならない。いかにして最大のパフォーマンスをマシンから引き出すか、次回の開発に活かすために何を学べるかということをだ」
ジョージ・ラッセルはドライバーの視点から、エリオットのコメントに同意している。ラッセルはピレリのタイヤテストがあったため走行距離を伸ばすことができたが、3日のテスト期間では冬季休暇の後でスピードを上げるのに短すぎるとも考えている。
「個人的には、3日間では十分だとは思わない」とラッセルは語った。
「ドライバーの立場からすれば、ひとりあたり1日半ということだ」
「先週テストができたのは幸運だったが、それがなければアブダビからバーレーンまで12週間マシンに乗らないことになっていたはずだ」
「2台で3日間ということならおそらくいいと思う。それが日程を制限するための理由に対する最善の妥協点かもしれない」
走行時間の制約はあるが、メルセデスはこの数カ月間に拠点でシミュレーションツールをフルに活用しているため、多くの作業を行うために可能な限りの準備を整えて来週始動できるだろうとエリオットは考えている。
「冬の間にマシンを開発するにあたっては、リグでできる限り多くのテストを行っている」とエリオットは述べた。
「マシンの信頼性を確保し、期待しているパフォーマンスが発揮されるように、できる限りのことをしている」
「プレシーズンテストに臨む時には万全の準備を整えておきたい思う。本物に代わるものはないからね。本物のレーストラックでマシンを走らせることは、我々の学びの役に立つ。これまでのように準備を整えて今年のテストに向かうが、必要な作業を3日間で行うのはそれでも難しいものになるだろう」
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